A.ランゲ&ゾーネの歴史・ストーリーについての前回記事のつづきです。
ウォルター・ランゲ(4代目)は、東西ドイツ統一後、A.ランゲ&ゾーネの再興を試みました。
「あの頃はまだ何もありませんでした。作って売る時計もない、従業員もいない、社屋も機械もない。あったのは、再びドイツ・ザクセンで世界最高の時計を製作したいという思いだけでした」(ウォルター・ランゲ)。
4代目ランゲの志に共感したギュンター・ブリュームライン氏(IWCやジャガールクルトで活躍)が、新生ランゲの復活に奔走します。
新生A.ランゲ&ゾーネは、初代ランゲが築き上げてきた伝統を受け継ぎつつ、「新たなる規範を確立するような時計を作る」という理想のもと、ギュンター・ブリュームライン氏は優秀な人員を集めました。
主要なところでは、
デザイン部門: IWCのポルトギーゼのデザイナー
ムーブメント部門: IWCのダヴィンチ永久カレンダーの開発者や、ジャガールクルトのCal.822の開発者
(1993年に発表されたIWCのポルトギーゼ)
https://www.iwc.com/ja/watch-collections/portugieser.html
シンプル、エレガントですね。
(1985年に発表されたIWCのダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー)
https://www.iwc.com/ja/watch-collections/da-vinci.html
こちらも美しいですね。
パーペチュアルカレンダーは、機械式腕時計の機構の中でも特に製作が難しく、「複雑機構」(コンプリケーション)の一つとされています。
(ジャガールクルトのキャリバー822A2(822の改良版))
ジャガールクルトのレベルソという角形モデルに搭載されています。
https://www.kk-tanaka.com/jaeger_le_coultre/レベルソ・クラシック・ミディアムスリム%ef%bc%bb手巻-2/
これら強力な開発陣を得た新生A.ランゲ&ゾーネは、ついに傑作と称される「ランゲ1」をリリースします。
A.ランゲ&ゾーネは、再興を果たしました。
https://www.alange-soehne.com/ja/stories/lange1-watch-family
(つづく)
※本記事は「ドイツ腕時計№3 ジャーマンウオッチバイブル」(シーズファクトリー・2015年)116頁(K.KITAMURA執筆)を参考にしています。