新型コロナウイルスの影響で大規模展示会が延期になり、今年2020年は新たな試みとして、ウェブサイトでの新作発表が行われている。
ホディンキー(日本版)の2020年の新作時計まとめや、ウェブクロノスの「ウォチーズ&ワンダーズ ジュネーブ」オンライン発表におけるタイムスケジュールはこちらからが2020年新作腕時計を網羅的に紹介しているので、ご覧あれ。
例年、大規模な展示会はスイスで行われており、関係者にとっては一大イベントだったが、ユーザーは、基本的に、会場に行ったバイヤーを通じてしか情報を入手できなかった。
2020年4月25日午後7時以降にウォッチーズ&ワンダーズ ジュネーブ(旧SIHH)というイベントがウェブサイト上で行われた。
ユーザー目線で見れば、ウェブ上で直接イベントに参加することができたので、よかったとおもう。
ウォッチーズ&ワンダーズ ジュネーブには、リシュモングループが中核ではあるが、個性的な独立系ブランドも参画していて、内容はかなり充実している。
一通りざっと見たなかで特に気になったのはIWC(アイ・ダブリュー・シー)の看板ラインナップである「ポルトギーゼ」の新作だ。
(IWC公式HPより)Ref.IW358303
ポルトギーゼ=クロノグラフというのが旧ラインナップだった。
2020年の新作では、ポルトギーゼにクロノグラフがない、スモールセコンドだけのシンプルな三針時計がラインナップに加わった。
スモールセコンドの三針時計は、IWCにありそうでなかったとおもわれるが、そのルーツは1930年代に発表されたRef.325にあるとされている。
(IWC公式HPより 1939年2月22日にウクライナの時計卸売業者であるオデッサのL.シュワルツに販売された最初のポルトガルの腕時計の1つ)
ブランドが自社のアーカイブから着想を得て新作をつくるやり方は、オーデマ・ピゲなどもやっている手法で、古典的な腕時計が気になるユーザーにとっては嬉しい。
(IWC公式HPより ポルトガルリファレンス325-「ミッシングリンク」)
シンプルなスモールセコンドの三針時計となると、意外と選択肢が限られている。
パテックフィリップや、ヴァシュロンコンスタンタンあたりになってしまうと、かなり高額になってくる。
この点、2020年新作IWC(ポルトギーゼ・オートマティック40)は、100万円以下の価格帯でシンプルなスモールセコンドの三針時計を探していた層にうまく訴求できる。
(公式HPより)
アプライドインデックスになっており、表情が立体的。
(IWC公式HPより)
ポルトギーゼ・オートマティック40は、自動巻きであり、裏蓋はシースルーバック仕様だ。
見ていて男心をくすぐるムーブメントだ。
自動巻きローターは肉抜きされていて鑑賞しやすくなっている。
カラーバリエーションも用意された。
ホワイトダイヤルに青針のものは人気が出そうだ。
(IWC公式HPより)Ref.IW358304
ブルーダイヤルにシルバー針のものもシックにまとまっている印象。
(IWC公式HPより)Ref.IW358305
ポルトギーゼ・オートマティック40のスペックと価格は以下のとおり。
- 直径 40.4mm
- 厚さ 12.3mm
- 防水 3気圧
- パワーリザーブ 60時間
- 価格 79万7500円(税込)
クラシックなデザインの時計が好きな人には、ポルトギーゼ・オートマティック40はけっこう響くとおもう。
(2020年5月7日追記)
ホディンキー日本版のウェブサイト(Hands-On IWC ポルトギーゼ・オートマティック 40 2020年新作を実機レビュー)で実機のレビュー記事がアップされているので参考まで。やはりいい感じだ。