はじめに
2020年の新作腕時計で気になった腕時計。
皆さんはどうだったか。
筆者の一つは、IWCのポルトギーゼ(三針スモールセコンド)。
(拙稿「2020年新作IWC(ポルトギーゼ・オートマティック40)ウォッチーズ&ワンダーズ ジュネーブ」をご参照)
そしてもう一つがカルティエのサントスデュモンRef. WSSA0032(機械式)だ。
2019年のサントスデュモンはクオーツだった
昨2019年、カルティエの「サントス」というシリーズの中に「サントスデュモン」が加わった。
サントス誕生のヒストリーには男のロマンがある。
サントスデュモンは初代サントスのシンプルなデザインを踏襲したもの。
素直にカッコいいとおもった。
が、、、残念なことにクオーツ(電池式)での展開だった。
そのため、サントスデュモンのデザインはいいなとおもいつつ、次第に興味を失っていき、筆者の中では存在しないものとなっていった。
そんな中で、2020年にサントスデュモンに機械式が加わった。
2020年新作カルティエ・サントス デュモンRef. WSSA0032
Cartier SANTOS-DUMONT Ref. WSSA0032
サントスドゥカルティエとのデザインの違い
カルティエの公式HPを見ると、「サントス ドゥ カルティエ」という大きい分類の中に、「サントス デュモン」と「サントス ドゥ カルティエ」という小分類があるように見える。
何かヤヤコシイのでもう少し分かりやすく整理してほしいとおもうが、そもそも、サントスデュモンは、既存のサントスドゥカルティエと何が違うのか?
まずサントス ドゥ カルティエは三針(センターセコンド)で、モデルにより日付ありだ。
一方、サントス デュモンは二針、日付なしというシンプルな装い。
そして、筆者がもっとも気になるポイントがベゼル(ビス止めがしてあるダイヤル外側のSSでできた囲いの部分)の形。
下の写真は既存のサントスドゥカルティエの方で、ちょっと見比べてほしい。
サントスドゥカルティエの方は、ベゼルの上下が、それぞれベルトの方に向かって「くびれて」伸びている形になっている。
これがサントスデュモンになると、端正なスクエアになっている。
完全に好みの問題だと断っておきたいが、筆者はサントスドゥカルティエのこの「くびれた」ベゼルの造形にやや抵抗があった。
初代のデザインの完成度の高さには、改めて恐れ入った。
サイズ感
ケースサイズは「XL」という。
縦46.6 mm x 横33.9 mmと公表されているが、縦はラグの端まで含めた数値で、程良いサイズに仕上がっている。
クオーツデュモンの方は、ケースの厚みが7.3mmと薄い。
一方、一般に機械式となるとクオーツのように簡単には薄く仕上げられない。
サントスデュモン機械式は、ピアジェ(薄型時計を変態的に極めようとしているブランド)のアルティプラノという極薄モデルに搭載されているムーブメントを使うことにより、クオーツデュモンと同等の7.5mm厚に抑えることに成功している。
スペックで気になる点
もっとも、パワーリザーブは約38時間。
近頃の時計のスペックと比較すると物足りないという批判は免れない。
これをどうみるか。
しかし、筆者は最近おもう。
パワーリザーブは、24時間あれば十分ではないか。
というのも、少なくとも1日外で着けている間動いてさえいてくれれば、実際の実用に支障はない。
ロングパワーリザーブの時計だって、使わず置いといたらどうせ止まるのは同じ。
毎朝ゼンマイを巻きあげる作業が面倒だとはおもわない(それが面倒な人はクオーツを買えばよいのだから)。
それに、サントスデュモン機械式は、二針時計であり、日付もないので、仮に止まったとしても時刻合わせが容易だ。
価格
しかも、価格は65万4500円(税込)。
近頃、時計の定価が高騰傾向にあるなかで、良心的な値段といえる。
まとめ
ということで、2020年新作カルティエ(サントス デュモン)Ref. WSSA0032について述べてきた。
デザイン、価格等、トータルでみて、カルティエは素晴らしいノビのある直球を投げ込んできたと感じた。
2020年新作サントス デュモンは、カルティエ好きにはもちろん響くだろう。
そして、筆者のように、サントスドゥカルティエのベゼルの形状に多少の抵抗を感じていた層にも、ストライクなモデルでなかろうか。
これは売れるだろう。いずれにせよ店頭ではやく実機を見てみたい。