はじめに
2023年7月15日、グランドセイコーから新作SBGH315が発売されました。
本年5月25日のリリース後に書いた当ブログ記事はこちらから
本作では、格子模様状の群青色ダイヤルが採用され、2022年に初登場した銀座グリッドパターンが透明印刷されています。
銀座限定400本のみの発売で、銀座和光とブティック銀座ではWEBでの事前抽選制となりました。
後にレビューの項目で書きますが、実物のダイヤルは想像を超えた出来栄えです。2022年銀座限定SBGH297(スカイブルーダイヤル)に負けずとも劣らない力作です。
抽選から納品まで
前置きがやや長くなりますがお付き合いください。
リリース記事を書いた時点では、SBGH315について、私の気持ちは、購入する3:購入しない7でした。ぱっと見で、2022年銀座限定SBGH297(スカイブルーダイヤル)ほどのインパクトは感じない。それに個人的な事情として、手元の時計が増えてキリがないと思っていたからです。
5月28日、抽選終了の30分前、ついにSBGH315の購入を見送る判断をし、気持ちよく晩酌を始めました。ところが抽選終了数分前に、どこからともなく「何をしている。これは買うべきだ」という声が聞こえてきたのです。ほろ酔いになっていた私は、慌てて抽選の申込みをしました。応募完了メールが届いたのが抽選終了3分前、ギリギリ間に合いました。私がWEB抽選を申し込んだ銀座和光では、次の入力項目がありました。
- 名前、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、WAKOカードの保有の有無、認知経路、キャンセル待ちをするか否か。
ちなみに、私はWAKOカード有、キャンセル待ちをする、を選択。
6月3日「グランドセイコー銀座限定モデルご当選のお知らせ」のメールが届き、無事、SBGH315の抽選に当たりました(そしてまた別の機会に書こうと思いますが、これを機に手元のコレクションの整理を断行しました)。
6月9日までに支払方法と商品の受取方法を返信しなければキャンセル扱いになるため速やかに返信。電話でのクレジットカード払いを選択したので銀座和光から電話があり、電話口でクレジットカード情報の照会・決済完了となりました。担当様は本当に感じの良い人で、私のメールアドレスに「しろくま腕時計紹介店」と表示されていたためか、当ブログを事前に見ておられたようで「お時計がお好きなんですね」と。恐縮してしまいました。
商品の受取方法は配送でも可でしたが、私は時計との思い出をつくることを重視しているため、大阪からですが銀座まで受け取りに参りました。最初に接客していただいた方は白樺のスプリングドライブをお召しになっていて、話も弾みました。その後、当選後に電話を下さった担当様に接客いただき、気持ちよくご納品いただきました。やはり銀座和光、グランドセイコーの接客は好きですね。ほんとうに丁寧で、心がこもっていて、気持ちが良いんです。
前置きが長くなりましたが、生涯大切にしていきたいと思う時計を購入する場合、誰からどのように買うかを含めて、こういった購入プロセスが結構大切です。
基本スペック
ケースサイズ:横 40.0mm、縦 47.0mm、厚さ 12.9mm
バンド幅:21mm
ムーブメント:9S85
駆動期間:最大巻上時約55時間持続
静的精度:平均日差+5秒~-3秒
防水:日常生活用強化防水(10気圧)
限定本数
日本国内(銀座)限定 400本
価格
847,000 円(税込)
レビュー
62GS型ケースは形も仕上げも本当に美しいのですが、ここでは銀座限定の所以であるダイヤルを取り上げたいと思います。
前回のブログの「初見の感想」でも書きましたが、GS公式画像では本作のダイヤルの特徴が分かりにくいため、実物を見るまで期待と不安が半々でした。
先に結論から述べておきましょう。SBGH315のダイヤルは想像を超えていました。
SBGH315のダイヤルは、公式WEBサイトで紹介されているとおり、群青色×型打ちの格子模様×銀座グリッドパターンを特徴としています。
群青色(ウルトラマリンブルー)
群青色は、知っているようで知らない色かもしれません。
やや紫みを帯びた深い青色。瑠璃(ラピスラズリ)を原料とする青色顔料の色のことで、ウルトラマリンブルーとも。その名のとおり、青が群がったような色のイメージです。
群青色で染められた本作のダイヤルは、見れば見るほど美しいです。
型打ちの格子模様
ダイヤルに格子模様がハッキリと型打ちされていますから、「群青色×格子模様」が本作のダイヤルの二大要素と位置付けられます。
一つひとつの格子模様の中には筋目加工が施されています。しかも、隣り合う型にはそれぞれ異なる方向の筋目加工が入っています。その結果、光が反射する際、区画ごとに僅かに色が違って見えます。ここが本作のダイヤルを秀逸と評価できるポイントになるでしょう。
このような格子模様の効果で、本作のコンセプトである「銀座のビル群が朝日に照らされる」様が見事に表現されていると思います。
銀座グリッドパターン
前作である2022年銀座限定SBGH297は「スカイブルー×銀座グリッドパターン」を二大要素にダイヤルが構成されていました。
本作でも銀座グリッドパターンが継承されていますが、前作とは表現技法が異なり、ベースの層の上からの透明印刷となっています。そのため、いつも見えるわけではなく、特定の角度ないし反射のもとで浮き上がって見えるようになっています。
隠された特徴・・・
先のとおり、格子模様の個々の型には異なる方向の筋目加工がされていると述べましたが、さらに、筋目がどのように入っているのか注意深くみてみましょう。
これは縦横の単純な筋だけではありませんね。むしろ大半の筋が斜めに入っています。
写真を白黒にして筋がよく見えるように加工してみると、大きくSを描くように、しかも、すべての筋が繋がっているように見えます。
このような筋の入れ方は非常に独特であり、何の意図もないとは思えません。公式WEBサイトや公の情報ではこの点に関する何の説明も見当たりませんので、現時点では推測するしかありません。
私には最初、水の流れか、川のように見えました。水や川だとして、それらと本作のコンセプトとの関連性はあるでしょうか(昔、東京が水の都と呼ばれていたことくらい)。
もう一つは、SEIKOの“S”をイメージした隠しデザインではないかという可能性。本作は創業の地銀座限定というグランドセイコーにとっての最も特別なモデルの一つですから、ブランドの頭文字がデザインに隠されているという推測です。
その他、何の意図もなく、たまたまこのような筋が入ったという可能性ももちろんありますが、それでは浪漫がありませんね。
私は現時点では”S”の隠しデザインかなと思っています。まあ事実がそうでなくても、そう考えるのは自由です。
皆様はどう感じましたか?
開封動画(YouTube)
おわりに
以上、グランドセイコー銀座限定 SBGH315の購入レビューブログでした。
「群青色×格子模様×グリッドパターン」によって銀座が表現された特別感のあるモデルでした。
こういう時計がつくれるGSには、ものすごい勢いを感じます。
GSの大きな魅力はやはりダイヤルにあり、本作に見られる表現のコンセプトや技法は、他のブランドとは一線を画すものがあります。
これぞ銀座限定の看板を背負って立つに相応しいモデルではないでしょうか。
この投稿をInstagramで見る