はじめに
セイコーファンならご存知のとおり、140周年記念モデルとして2021年5月28日に発売された「セイコー プロスペックス SBDC139」。この度筆者も購入したので感想を述べてみたい。
スペック等は以下のとおり。
セイコー創業140周年記念限定モデル 数量限定 6,000 本
精度 日差+25秒~-15秒
駆動期間 最大巻上時約70時間持続
防水 200m潜水用防水
耐磁 あり
厚さ 13.2 ㎜
横 40.5 ㎜
縦 47.6 ㎜
重さ 181.0 g
価格 143,000円 (税込)
セイコー プロスペックスとは?
【SEIKO】セイコープロスペックス SBDC101 / SPB143を試着レビュー - しろくま腕時計紹介店をご覧いただきたい。
比較的手が出しやすい価格である上に、ダイバーズウオッチの普遍的なデザインを踏まえた使い勝手がよい腕時計。インスタでもよく見かける世界的にもかなり人気があるシリーズといえる。
購入の理由
以前、筆者がSBDC101を試着した時は、価格に比して仕上げが非常に優れていると感じ、かなり気になっていた。一方、暗めのカラーリングのダイバーズウオッチという意味で、手持ちの腕時計と被る気がしたので、結局のところ購入は見送った。
その後、2021年3月、セイコーから140周年記念モデル「セイコー プロスペックス SBDC139」が発表された。
SBDC139は白ダイヤル(より正確にはシルバーホワイト)に青ベゼルという、これまでのSBDCシリーズには見られなかった個性的なカラーリングが採用されている。
表情豊かな雲を思わせるシルバーホワイトのダイヤルに、雲の切れ間から見える澄んだ青空を、輝くブルーで表現しています。艶やかな色彩のコンビネーションを、光芒が広がる情景に見立て、輝かしい未来に向けて前進する力が沸き立つようなコレクションです。
シルバーホワイトダイヤルに青ベゼルを組み合わせたダイバーズウオッチは、セイコーに限らず既存のダイバーズウオッチを見渡しても、意外と新鮮な組合せだと考えられる。とはいえ、決して奇抜ではない。雲の切れ間からのぞく青空をイメージした色づかいからは爽やかな印象を受ける。
あと、筆者個人的にも、しろくま腕時計紹介店のイメージカラーとも重なっているということもあり、非常に気に入ったので、新作発表を知ってから即予約を入れた。
手にした感想
待ちに待った納品を受け、いよいよ開封(いつもこの瞬間は特別だ)。
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実物を見たのは開封時が初めてだったが、ファーストインプレッションは
「ホームページの画像でイメージしていたのと違う」
- ダイヤルの色は、ベタっとした白を想像していたが、むしろ光沢があるシルバー(白3:シルバー7くらい)
- ダイヤルの質感は、どちらかというとマットな仕上げかと想像していたが、実物には、よく見るとしっかりしたサンレイ仕上げが施されており、光の当たり方で美しく反射する
- ベゼルの色は、いわゆるふつうの青ではなく、深い青で、やや緑の要素も含まれているように見える
- ベゼルには透き通った飴のような艶ないし光沢があり、既存のシリーズとは趣が異なり、色味が美しい仕上がりになっている
このように、実物の方が、良い意味で期待を裏切ってくれた。開封動画をYouTubeチャンネルにアップロードしているので、興味があればご覧あれ。
装着感
腕時計なので、やはり腕に装着した時のフィット感は重要。いくらデザインが好みでも、装着感がしっくり来ないと愛せない。
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時計の重量はブレスレットも含めて約180グラムあるので、結構重たく感じる人が少なくないだろう。筆者はその辺りは体格的にあまり気にならないので問題ナシ。
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サイズ感の方が重要。40.5mm径は「手首への収まり」という意味で、まず自分自身どう感じるか判断が分かれるところ。筆者個人の主観においては39mm径がベスト。それより1.5mm大きいが、まあ許容範囲と考える。なお、厚みは13.2mmある。このサイズの径においては特に違和感はない。
質感
ケースの加工、仕上げなどは、とても十万円代の物とは思えない出来といっていい。
何も知らない人が見たら、そこら辺の3、40万円代の時計に負けずとも劣らないと評価しても不思議ではない。
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ブレスレットは「シャカシャカ」いうので手に取れば価格相応のものと分かるが、外形的に見る限りでは、筋目加工が整然と施され、ほのかに光沢も出ており、流石にロレックスのオイスターパーペチュアルのそれと同等とまでは言えないが、価格以上の出来であるといえる。
先に触れたダイヤルやベゼルの出来も含め、総じて、価格が安すぎるのではないかというくらい、良い質感に仕上がっているといえる。値段に質感が伴っていない外国産腕時計も散見される一方で、このような良心的価格でダイバーズウオッチを提供してくれるセイコーは、あっぱれ。
実用面
時計に精度を求める人にとっては、日差+25秒~-15秒は許しがたい数値かもしれない。しかし、筆者個人的には、そもそも腕時計を秒単位で合わせることはないし(時刻はかなりアバウトに合わせているし、何なら遅刻しないように少し時刻を早めて合わせている)、全然気にならない。むしろ精度を上げることに伴って価格が上がるようなら、精度は犠牲にして差し支えないと考える。
パワーリザーブは約70時間あり、この価格であれば十分すぎるスペックといえよう。
防水は200m。ダイバーズウオッチというだけあって、申し分ない。
また、ブレスレットの取り外しも簡単。ラグの側面にバネ棒外し用の穴が開いているから。つまりブレスレットをナトーストラップに気軽に換えて楽しめる。
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以上のことから、実用性も比較的高い腕時計といえよう。
改善点
ほとんど好みの問題だが、以下の点を指摘しておきたい。
- 直径は40mm以下なら、なおよかった。
- 厚みは13mm以下なら、なおよかった。
- 重量はもう少し軽ければ、なおよかった。
- 日付機能ナシ(ノンデイト)の方が、デザイン的にも、実用的にも、なおよかった。
総評
以上の改善点が満たされればこの上なく素晴らしい物になるが、今のままのSBDC139でも、非常に満足度の高い出来といえる。
ダイバーズウオッチというと、ゴテゴテしたり、余計な装飾が付いたりして、イマイチなものも少なくない。
しかし、といえよう。なお、世界6000本での限定販売となっている。その個数は限定と言うに相応しいか措くとして、レギュラーラインナップにない斬新なカラーリングに魅力を感じる人は少なくないはずだ。
強いて100点満点で評価すれば90点は下回らないだろう。この価格帯のダイバーズウオッチでは是非とも検討すべき一本といえる。