しろくま腕時計紹介店

高級ブランド腕時計の魅力をウオッチコーディネーター(日本時計輸入協会認定)が発信。時計ブランドの哲学や時計のコンセプトを分かりやすく紹介。腕時計選びに特化したブログ。

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【実機レビュー】手の届くトゥールビヨン ERA Prometheus(エラ・プロメテウス)

はじめに

ERA Prometheus(エラ・プロメテウス)と言うブランドから、レビュー記事の依頼があった。コンセプトは手の届くトゥールビヨン。どんなものか気になったので了承。ただ「プロメテウス」っていう名前はオジさんには覚えにくい。

レビュー対象の基本スペックは以下のサイトから引用

Makuake|至高のロマン!世界が認めたベスト・オブ・トゥールビヨン「Prometheus」|マクアケ - クラウドファンディング

商品名:ERA Prometheus(プロメテウス)

ケース(厚み/内径):自動巻き14.72×44mm

重量:自動巻き 125g

日差:出荷時±10秒以下に調整

ケース素材:自動巻きSUS316Lステンレス

ガラス:反射防止コーティングサファイアクリスタル

ベルト:イタリア産レザー(加工地中国)

生産地:Designed in New York / Made in China

通常販売予定価格は23万円(税込)

メーカー保証は2年(期間内の修理・送料はメーカー負担)

実機レビュー

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怪しげな秘密結社のようなロゴは「プロメテウスが火を神々から盗み出し、人類へ光を与えるというギリシャ神話に由来」しているんだとか。

もっと詳しく知りたい人は以下のサイトへ。最近はクラファンで腕時計を売るのが流行っているようである。

Makuake|至高のロマン!世界が認めたベスト・オブ・トゥールビヨン「Prometheus」|マクアケ - クラウドファンディング

ファーストコンタクト。

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装飾ダイヤル。これはクセが強い。

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文字盤と同じような装飾が裏側にも。歯車や装飾が入り乱れていて複雑そうに見える。

この時計は自動巻きタイプ。通常は腕時計を振ると扇型のローターがスムースに回転してゼンマイを巻き上げるのだが、この時計のローターの回転は鈍く、日常生活における腕の振りでゼンマイが十分に巻き上がるとは思えない。

パワーリザーブは36時間。止まった際はリュウズでゼンマイを巻き上げることになるのだが、この時計のゼンマイの巻き上げ感触は非常に重たい。リュウズが先端にかけて若干細って行く形状でグリップが効きにくいことも相まって、巻上げには大変な力を要する。

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パーツ(ローターの一部)を拡大してみるとご覧のとおり。磨きは特に入っておらず、削り跡もそのままのようである。

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針は正直今ひとつ。特に表面積の大部分を占める夜光塗料部分の質感が気になってしまう。

針合わせの操作感は少し重く感じるが、特段支障はない。

3時位置には月と太陽によるデイ・ナイト表示。リュウズを引いて分針を進めたり戻したりする動きに連動して回転する仕組みになっているので個別の調整は不要。

9時位置にはGMT機能。リュウズを引いて分針を進める動きではGMT針も連動して進むが、分針を戻す動きではGMT針は連動しない仕組みになっている。一旦時分針とGMT針を同時間に合わせた上で分針を戻しながら任意の場所の現地時刻を表示すれば、GMT針は日本時間、時分針ではローカルタイムを表示できる。インダイヤルには「ERA」をイメージしたロゴが隠れている。

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サイドビュー。

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ケース厚は15mm弱。更に全体的に加工が丸々している上にケースが三段構造になっており、ポッチャリした印象。

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リューズは大きめ。

ベルトの留め具はDバックルタイプ。

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バックルにはロゴ。ベルトの質感はまずまず。

 

さてさて、さて。

肝心のトゥールビヨン機構に移ろう。

トゥールビヨン部分を撮影した動画をアップしようと思ったが、直接はてなブログにはアップできないらしい。どうやらYouTubeに一旦アップしてリンクを貼り付ける方法にならざるを得ない模様。気が乗らないが、このレビューには動画が不可欠と思うので、渋々、ユーチューバーデビューを果たす。


「手の届くトゥールビヨン」ERA Prometheus(エラ・プロメテウス)のトゥールビヨンの動き

(機構を分解してみないと正確には分からない旨留保させてもらうが)外からは一応キャリッジに収めた調速脱進機を一定の時間で回転させているように見え、トゥールビヨン機構に該当すると考えてよさそう。

ただ、ガンキ車(トゲトゲしている部品)が周回しているのは目視できるものの、ヒゲゼンマイの伸縮運動は見えにくい。また、テンワにはネジなどがついておらず、反復回転運動が肉眼では分かりにくい。

せっかくトゥールビヨン機構を推すなら、キャリッジ内のダイナミックな動きを視覚的にもう少し分かりやすく見える化すると、より楽しめるのではないかと思うが、そこはコストとの兼ね合いになる。

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最後にリストショット。

直径44mm(筆者腕回りは17.5cmくらい)、厚み15mm弱。シャツを着た時は袖に隠れないことは確認済。

離して見た時の視認性は低い。スマホで時間を確認すればいい?でも腕時計で時間を確認することだってある。そういう時に視認性がよくないのは困る。一応夜光塗料はあるが光は弱め。

まとめ

トゥールビヨンというのは、三大複雑機構とされる時計機構の花形。

精密な部品を労せず作れるようになった現代では、トゥールビヨンの製造コストを低くできるようになったが、そうは言っても、組み立てや精度を出す調整などで手間がかかる機構であることは変わらない。

ERA Prometheus(プロメテウス)は中国製であったり、仕上げの程度であったり、操作感であったり色々と指摘事項はあるものの、モデルによるが予算20万円代から手に入る。

本レビューは、細かく神経質な筆者が辛めに書いてきたが、その予算でどうしてもトゥールビヨンが欲しいならば、いずれの指摘事項にも目を瞑れるだろうし、そうであるならERA Prometheus(プロメテウス)は一つの選択肢になるだろう。

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