ウオッチコーディネーター資格検定の公式HPにある例題を見てみよう。
【設問】:次のア〜エの文章に関係の深い語句を、 下記の解答群から1つずつ選びなさい。
ア、一つの時計で、二つの時間が表示できる機構を持つ。
イ、複数の競技者のタイムの計測を可能にした機構を持つ。
ウ、ぜんまいのエネルギーがどれだけ残っているかを示す機構。
【解答群】 1、クロノグラフ 2、タキメーター 3、パワーリザーブ 4、デュアルタイム 5、スプリットセコンドクロノグラフ 6、ワールドタイム
正解は次のとおり。
「ア」は4、デュアルタイム。
「イ」は5、スプリットセコンドクロノグラフ。
「ウ」は3、パワーリザーブ。
この問題も時計好きなら正解したいところだ。
デュアルタイム
デュアル=dual、二重とか二つという意味だ。
ハリーウインストン HW オーシャン・デュアルタイム モノクローム Ref.OCEATZ44ZZ008
「デュアルタイム」と「GMT」の違いを整理しておこう。
筆者の認識ではデュアルタイムとGMTは用語が錯綜している。
「デュアルタイム」は、2つの時間帯を表示する機構のうち、このハリーウインストンのモデルのように、メインダイヤルとサブダイヤルがあって、各々に時分針が付いているものをいう(「狭義のデュアルタイム」)。
「GMT」は、12時間もしくは24時間で1周する針、または12〜24時間表記の回転ベゼル等の手段で、複数の時刻を表示するものをいう。
いずれも複数の時間帯を表示する機構という括りでは同じだ。
「広義のデュアルタイム」は、複数の時間帯を表示する機構全般を指し、GMTも広義のデュアルタイムに含まれるとされる。
「広義」とか「狭義」とか言い出すから用語の錯綜に繋がりややこしくなっている。
スプリットセコンド・クロノグラフ
次に、スプリットセコンド・クロノグラフは、二本のクロノグラフ針が同時に動き出し、一 本目を止めても二本目の針はそれを止めるまで動き続ける。
ラップタイムや複数競技者のタイム計測ができる機能だ。
スプリットセコンド・クロノグラフはコンプリケーションウォッチにも数えられる複雑な機能だ。
パワーリザーブ
最後に、パワーリザーブ。
機械式腕時計ならではの機能だ。
機械式腕時計は時計の中に入っているゼンマイという長い紐状の部品を巻き上げて、それが解ける力で歯車を動かす。
ゼンマイの巻き残量があとどのくらいあるのかは外からは見えない。
機械式腕時計で困るのはそのうち止まってしまうことだ。
だから、あと何時間くらい持ちそうか分かれば、もう巻き上げておこうと備えることができる。
ただし、パワーリザーブ機構については、部品点数が増えがちであったり、メーカーによっては注油しないパーツが組み込まれたりと、何かと故障のリスクが高まるデメリットもあることは知っておいた方がよい。