機械式腕時計のコレクターでなくても複数本所有する人は珍しくない。
かく言う筆者も、現在二本所有しているが、今度は三本目の腕時計を購入するつもり。
しかし、機械式腕時計を複数保有することに伴うメンテナンス費用は大きな負担となる。たとえば、機械式腕時計を四本所有している場合、オーバーホール費用を8万円/本と考えると8万円×4本=32万円、4年に一回のオーバーホールを行うなら年間8万円程度(月額換算すれば6〜7,000円)のメンテナンス費用を要する。複雑機構が載った腕時計のオーバーホール費用はもっと高額になる。複数本コレクションするにしてもメンテナンス費用も考えないといけない。
度が過ぎると、また時計なんて買って馬鹿やってんじゃないわと奥様に怒られる人もいるだろうけれど、世の中の奥様には旦那さんの三本目の腕時計くらいは大目に見て欲しいものである。
とは言え、腕時計はビンテージも含めれば星の数ほどあるわけで、欲が続く限りコレクションに終わりはない。
どこかで自分なりのルールを決めておかないとキリがないのは確かである。
さて、前置きが長くなったが「四分類コレクション」という枠組みをご存知だろうか。
、、、知らないのも無理はない。
四分類コレクションは今のところ、しろくま腕時計紹介店が一人で提唱しているに過ぎない。
拙稿「4分類コレクション」参照
機械式腕時計は今や膨大なブランド・ラインナップのもとでグチャグチャになっている。
そこで、腕時計の外観的な特徴で単純図式化して、四つのコレクションに分類を試みたのが四分類コレクションだ。
手元のコレクションを拡充するとき、あるいは増え過ぎたコレクションを整理するときに役立つと思う。
ちなみに、筆者が持っている時計を分類してみる。
- TISSOTのEVERYTIME→①ドレス・シンプル
- ROLEXのGMTマスター2→④スポーツ・コンプレックス
さて、筆者は三本目の腕時計をどうしようかという話だ。
①ドレス・シンプルの出動機会が圧倒的に多いなら、①のバリエーションを増やすのも良い。
②ドレス・コンプレックスは、ドレスウオッチでもデザインが単純でなかったり、ある程度凝った機能がついたものがそうである。
実用性という点ではマイナスだが(時計が止まった後に合わせる手間、故障リスク、高額なオーバーホール費用の負担等)、腕時計のロマンを最も感じられるのは、ある程度複雑な機構が搭載されたドレスウオッチだろう。
より多様なファッション、シーンで使い回しが効くのは③スポーツ・シンプルだ。
イメージとしてはパテックフィリップのノーチラスやオーデマ・ピゲのロイヤルオークに代表されるラグスポ(ラグジュアリースポーツ)のノーマルなもの。大概のものはジャケットスタイル・半袖短パンスタイルを問わず合わせることが可能だ。
③スポーツ・シンプルは各ブランドが力作を投入している激戦区であり、何か一本に絞るのは悩ましい。
拙稿「特集【ラグジュアリースポーツ】パテックフィリップ・ノーチラス、オーデマピゲ・ロイヤルオークほか」
拙稿「スポーツウオッチ万能説?時計選びのプロが解説」参照
筆者は服装が比較的自由な仕事で、ラフな時も多い。
そこで、多くのファッション・シーンで使いやすい③スポーツ・シンプルから三本目をチョイスするつもり。
いま色々と検討中なので、追々、検討過程を紹介していきたい。