先日、時計屋放浪記にて試着したティソのエブリタイム スイスマティックを購入した。
詳しくレビューしていきたい。
外箱は重量感がある。
TISSOT エブリタイム スイスマティック - T1094073603100 - TISSOT® [ティソ] 日本
価格は6万4900円(税込)
スペック(TISSOT公式HPより)
重量(g) 67
防水 3気圧防水(30 m/100 ft)
ケース素材 ローズゴールドPVDコーティング316L ステンレススチールケース
長さ(mm) 40
幅(mm) 40
ラグ(mm) 21
厚さ(mm) 11.6
シースルーケースバック
ガラス素材傷防止加工ドーム型サファイアクリスタル
オートマティック
モデル SWISSMATIC
キャリバー 12 1/2'''
ケース径(mm)27.4
ジュエル(pcs) 19
時、分、秒、日付
パワーリザーブ 最長72時間
付属品。
実機のレビューに入る。
エブリタイム のラインナップは2020年7月現在、
- 文字盤ホワイト・SS
- 文字盤ブラック・SS
- 文字盤ホワイト・SS(ロズゴールドPVD)
の大きく3つで展開されている。
筆者が購入したのは3。
なお、1・2は5万0600円(税込)と、さらに求めやすい価格。
ローズゴールドPVDはSS(ステンレススチール)にゴールドを蒸着させたもの。
コーティングなので剥がれることはあるが、物理的にはある程度しっかりと付着させられてる。
風防はサファイアガラス。
傷がつきにくいため高級腕時計では幅広く使われている素材だが、6万円程度の価格でサファイアガラスが使われているのは高コスパであると言える。
裏側はシースルーバック仕様。
ティソ・エブリタイム の製造はすべて機械で行われている(フルオートメーション)。
ムーブメント(SWISSMATIC)には見た目にも人の手が入った形跡が全くない。
変な言い方だが「純朴な機械」だ。
この程度のムーブメント(仕上げレベルという意味で。)を、敢えてシースルーで見せる必要があるのかと言う意見もあるのは承知だ。
しかし、純朴な機械であるからこその、無骨な魅力もあるのではないか。
パワーリザーブは72時間とされている。ただし、厳密な数値ではないらしく、このモデルに関してはおよそ三日間というのが正確らしい。
ちなみにウェブサイトでは「最大90時間のロングパワーリザーブ」と表記されており、72時間と90時間とどちらが正しいのか。
ティソに確認したところでは、最大90時間というのは、あくまでも90時間動く「こともある」という意味で、基本的には三日間程度動くという意味のようである。
いずれにせよ、6万円程度の価格で72〜90時間ものロングパワーリザーブ機である。さすが業界を牽引するスウオッチグループ。
SWISSMATICというムーブメントについては、時計屋放浪記の記事でも説明したとおり「ムーブメントを修理しながら長く使う」ということができない。ショップ側はこの点しっかり説明を果たすべきだとおもう。
エブリタイム は使い捨て時計ではないが、調子が悪くなったら、いわゆるオーバーホールではなく、「コンプリートメンテナンス」すなわちムーブメントの「交換」となる。中のムーブメントは別物=新品になって返ってくる。
コンプリートメンテナンス時の費用は2万0350円(2020年7月現在)。
なお、メーカー保証は2年、ショップで登録すればさらに1年保証期間が延長される。
ちなみに、SWISSMATICが将来的に製造中止になる可能性(コンプリートメンテナンスを受けられなくなるリスク)は気になるところ。
ティソに確認したところでは、何とも言えないのが正直なところだが、SWISSMATICは、スウオッチグループのSISTEM51(システム51)という革新的なムーブメントがベースになっており、SISTEM51は当分なくならないだろうから、SWISSMATICも当分は大丈夫だろうとのことであった。
ティソによれば、スタンダードなモデルでは製造中止から10年間、部品を保存するものとされており、仮にスイスマティックが製造中止になっても中止から10年程度はコンプリートメンテナンスを受けられると考えて良いだろう。
もっとも、何らかの理由で部品交換ができなくなった場合は、ティソが代替案を提示する権利があるとされている。
今後コンプリートメンテナンスが難しくなったとき、ティソ・スウオッチグループはどういう対応をするのだろうか見ものだ。
雲上ブランドなど高級ブランドでは部品のストックがない場合でも、当該修理のために部品を作ってでも修理すると言うが、この価格の時計ではそこまでのアフターサービスは望めないだろうけれど。
リストショット。
見てのとおり、ベゼルは薄いというか、ほぼない。
その分、文字盤が大きく、同じ直径40mmの時計と比べるとこちらの方が大きく感じる。
トータルでみた質感はとても6万円台の時計には見えない。
ムーブメントの性能とコスパも勿論だが、頑張り感がないシンプルなデザインも疲れなくて良い。
欲を言えば、さらにシンプルを追求すべきであっただろう。
具体的にはデイト(日付表示)は要らなかった。日付合わせが面倒だ。
6時位置のSWISSMATICの表記も要らなかった。
あと、TISSOTのロゴはもっと小さくて良かったし、SWISSMATICの表記もあと二回りくらい小さくていい、、、
6時位置からのサイドビュー。
11.6mmの厚みは程良い。
9時位置からの斜めビュー。
見ての通り、カラトラバRef.3445やRef.3919のごとく、ラグとケースを一体化させない造形。
懐中時計にラグを取ってつけたようなイメージであるが、これがクラシックに見える要因の一つだろう。
ベゼルが非常に薄く文字盤が大きい上に、ラグも比較的長いため、全体として直径40mmよりもけっこう大振りに見える。
3時位置からの斜めビュー。
ローズゴールドPVDの発色はまずまずだが、若干ムラがあるし、シミらしき箇所も所々ある。
まあこの価格だし、その程度のエラーには目を瞑ることでこそ実現できているコスパである。
6時位置からの斜めビュー。
バーインデックスは立体的で良い。
尾錠もローズゴールドでコーティングされている。
革ベルトはペラペラ。
自分の好きなベルトに交換すべし。黒とか、緑との相性は良さそうだ。
ポケットショット。
この日はカジュアルなファッションだが、ジャケットスタイルには映えるだろう。
以上、ティソ・エブリタイム スイスマティックをレビューした。
機械式腕時計は欲しいけど高いよな、と一歩踏み出せなかったアナタ。
コレクションはスポーティな時計ばかりで、一本くらいフォーマルで使えるシンプルな時計が欲しかったが、そこまで費用は出せないというアナタ。
購入の参考になれば幸いだ。