しろくま腕時計紹介店

高級ブランド腕時計の魅力をウオッチコーディネーター(日本時計輸入協会認定)が発信。時計ブランドの哲学や時計のコンセプトを分かりやすく紹介。腕時計選びに特化したブログ。

予算100万円の時計選び【Grand Seiko】40代エリート部長にはグランドセイコーだ

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B男が求める腕時計

(ピロロロ ロローン、ピロリロ リン ♪ )

 

しろくま腕時計紹介店(以下「くま」):いらっしゃいませ。

 

B男:お邪魔します。

 

(B男は某大手企業に勤める40歳サラリーマン。仕事ができ、部下の面倒見もよく、皆に慕われている。派手さはないが、スーツはいつもパリッとしていて、小物も一々オシャレだ。)

 

くま:暫くぶりですね。

 

B男:お久しぶりです。名刺が変わりましたので改めまして、、、(名刺手交)

 

くま:あれ?偉くなってる気が。

 

B男:ふふ、実は社内の人事がありまして、先月、部長になりました。

 

くま:おめでとうございます「部長」!どうです部長の仕事は?

 

B男:クライアント様の上の方と接する機会や、社内でも上役との行動も増えてきましてね。

 

くま:一段上のステージですね。

 

B男:で、やっぱり上の方の人たちの腕時計を見ると、かなり落ち着いた感じのを着けている人が多いんですね。

 

くま:でしょうね。あれB男さん今日は腕時計していないですね。いつも何されていましたっけ?

 

B男:入社3年目でチームリーダーに抜擢された時に「オメガ・スピードマスター」を買いましてね。かれこれ15、6年は使っていますね。

 

くま:オメガ・スピードマスターを着けているサラリーマンって、バリバリ仕事してそうな感じしますよね。

ところでオメガ・スピードマスターはオーバーホールしました?

 

B男:いや、それが。実は一回もしてなかったんです。最近本当に調子が悪くて、先日オーバーホールに出しました。

 

くま:B男さん、メンテナンスもキチッとやらないとダメですよ。壊れていないからオーバーホールはいいやっていう問題じゃなくて。

オーバーホールって一回全部分解して、洗浄して、部品同士が強く摩擦する部分などに油を差すんです。

長期間使っていると、油が減ったり劣化したりして、歯車に大きな負担がかかって、歯車が欠けたり故障の原因になるんです、、、

 

(その後、長くものを使うことの重要性などが語られた)

 

くま:しかし、腕時計がないと寂しいですね。

 

B男:そうなんですよ。せっかく部長に昇進した節目の年なので、記念に腕時計を購入しようかと思いまして。

 

くま:節目に時計。その時計、その時計が、その時々の人生の思い出と結びついているって素敵です。サラリーマンの方は節目が分かりやすくていいですね。

 

B男:ええ。で、新しい腕時計を買いたいと妻にも相談したら「私にもシャネルのハンドバッグを買ってくれるなら」ということでOKをもらいました。

 

くま:しっかりした奥様ですね。予算はどのくらいでお考えです?

 

B男:今度のボーナスをアテに奮発して100万円、、、

 

くま:さすが部長!今回はどんな感じのを狙っています?

 

B男:向こう10、いや20年、、、退職まで長く使えるものがいいですね。

 

くま:であれば、B男さんのピシッとしたスーツ姿を引き立ててくれる名脇役のような「クラシカルなドレスウオッチ」で決まりでしょう。

今お持ちのオメガ・スピードマスターは、堅くないビジネスシーンや、カジュアルなシーンで使うことにすれば、二本の棲み分けもできますね。

 

B男:なるほど。では「クラシカルなドレスウオッチ」で行きます。

クラシカルなドレスウオッチと聞いて浮かぶのはグランドセイコーくらいですね。前々から気になってはいますが。

 

くま:B男さんのような落ち着いた雰囲気の方には、よく馴染みますよ。グランドセイコーは。

 

B男:でもグランドセイコーって、ちょっとおじさんくさい気もして、、、

 

くま:B男さん、、、もう立派なおじさんですよ笑

 

B男:仰るとおり笑 もう40かおれは、、、

 

くま:いいじゃないですか。人間皆年を取るんです。40歳なら迷わず我が道を行きましょう。

 

グランドセイコー エレガンスコレクション SBGK009

くま:グランドセイコーで、B男さんだと、そうですね、、、こんな感じのはどうでしょうか。

 

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SBGK009 | COLLECTIONS | グランドセイコー公式サイト

 

B男:おっ。これはカッコいいと言うか、上品というか。

 

くま:価格は93万5000円(税込)です。

文字盤の9時位置にあるのはスモールセコンド(秒針)、3時位置にあるのがパワーリザーブ(残駆動時間表示)です。

ブレスレッドは9連。美しい細かい駒が連鎖していて、とてもしなやかで、見た目から高級感が漂います。

そして裏側は、、、

 

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SBGK009 | COLLECTIONS | グランドセイコー公式サイト

 

B男:裏スケですね!グランドセイコーの仕上げってキレイですね。この時計は非常にシンプルにまとまっていて好印象です。

 

くま:B男さんにはかなり似合いそうですね。

静止画ではイメージをつかむのに限界があるので、YouTubeでレビュー動画を一緒に観てみましょう。

 

(YouTube動画へのリンク)

Grand Seiko Elegance Hand Wound (SBGK009) Grand Seiko Watch Review

 

B男:正直9連ブレスレッドってどうなんだろうと思いましたが、これで観ると高級感がある上に、着けやすそうです。

 

くま:そうですね。

ちなみに、グランドセイコーには「エレガンスコレクション」「ヘリテージコレクション」「スポーツコレクション」の三つのラインナップがあります。

SBGK009は グランドセイコーのエレガンスコレクションの一つです。

 

B男:「エレガンスコレクション」「ヘリテージコレクション」と「スポーツコレクション」って、ざっくり言うとどう違うんですか?

 

くま:さすが部長いい質問ですね。結論から言うと「よく分からないので気にしないで下さい」ですね。

 

B男:どういうことですか?

 

くま:それぞれのコレクションを俯瞰してみましょう。

 

エレガンスコレクション

ヘリテージコレクション

スポーツコレクション

 

B男:はい。ざっと見てみました。

 

くま:エレガンスコレクションはドレスウオッチ。スポーツコレクションはスポーツウオッチ。

 

B男:ネーミングのとおり、そうでしょうね。

 

くま:B男さんはエレガンスコレクションヘリテージコレクションの違いは分かりましたか。

 

B男:すみません、本当にはっきり言わせてもらいます、、、全く分かりません。いや、むしろ同じだろ!?って思っちゃいました。

 

くま:ハハハ。同感です。

私はグランドセイコーのオフィシャルホームページを何回も読み返しましたが、結局よー分からんのです。

グランドセイコーのオフィシャルホームページのどこにも、エレガンスコレクションなりヘリテージコレクションが何たるかという「定義」が明記されていないんです。ユーザーにとっては結構重要な情報なはずなんですがね。

唐突にエレガンスコレクションヘリテージコレクションというワードが出てきて、腕時計の写真が並んでいるだけ。

グランドセイコーの内部では一定の基準があるのでしょうが、これじゃあ一般ユーザーは分かりませんし、付いていけませんね。

 

B男:なるほど。目的やコンセプトが明確になっていない、、、アレ?昔よく上司に怒られたやつだな笑

 

くま:グランドセイコーのオフィシャルホームページでは、個々の腕時計の説明はそれなりにされていますし、デザインコードのコンセプトや技術の説明、重要なストーリーの紹介など、内容は結構充実しているんです。もしグランドセイコーの購入を考えているならくまなく読んでほしいです。

でもなぜだが、コレクションのコンセプトについては何も語られていないんです。今後のアップデートに期待しましょう。

 

B男:難問かもしれませんが、エレガンスコレクションヘリテージコレクションの棲み分けってどう考えたら良いんですか。

 

くま:まずエレガンスコレクションヘリテージコレクションの共通点ですが、日本の「障子(しょうじ)」や「屏風(びょうぶ)」の如く、基本的に、平面と直線で構成され、ポリッシュ(鏡面磨き)の効いたデザインになっています。

 

B男:「切れ味鋭い日本刀」の如しですね。

 

くま:良い表現ですね。

ヘリテージコレクションの方が、グランドセイコーのデザインコードが強めで、パッと見た時にグランドセイコーだと分かりやすいでしょう。

ヘリテージコレクションは、コレクションの軸足はドレスウオッチにあり、モデルによってスポーツ側に足を踏み込んでいるものもあります。

オン・オフ両用できるポテンシャルを持っているという意味でヘリテージコレクションは万能タイプと言えます。

 

B男:なるほど。エレガンスコレクションの方は、なぜエレガンスな感じがするのでしょうね。

 

くま:エレガンスコレクションの方は、グランドセイコーの基本デザインコードを踏まえつつ、スイス時計の美的エッセンスも効果的に取り入れた仕様になっていますね。世界に通用する(ある意味では普遍的な)デザインに見えます。

 

B男:グランドセイコーのことが少し分かった気がします。

グランドセイコーSBGK009はすごく魅力的だったので、グランドセイコーを買うならこれにしたいと思います。

他のブランドでは、どんなものが私に似合いそうですか?

 

ブランパン ヴィルレ Ref.6651 1127 55B

くま:そうですね、、、これとかどうですか。

 

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Ultraplate - 6651 1127 55B | Blancpain

 

B男:落ち着いた感じで良いですね。何というブランドですか?

 

くま:ブランパンです。ヴィルレというラインナップ。

価格は106万7000円(税込)と若干予算オーバーですがご容赦ください。

ブランパンは結構古いブランドですが、いつ創業されたと思います?

 

B男:そう言うからには古いんでしょう、、、100年くらい前ですか?

 

くま:答えは文字盤に書いてありますよ。ブランドロゴの辺り。

 

B男:えーっと、、、え?「1735」年ですか?!

 

くま:正解です。ブランパンは現存する時計ブランドでは最古と言われています。

 

B男:江戸時代じゃないですか笑

 

くま:ええ。スイスには創業100年なんてザラに、200年以上のブランドもゴロゴロあります。

ブランドの「歴史」は時計を嗜む上で重要なファクターです。遥かなる歴史の延長線上にその腕時計がある、これは男のロマンそのものですよ。

ブランパンは決して目立つブランドではないので、ほとんどの人が知らないでしょうけど。

 

B男:私も初めて知りました。 ブランパンヴィルレってどう言うラインナップなんですか?

 

くま:ヴィルレの名はスイスのジュラ地方にある「ヴィルレ村」、創業の地から取っています。

ヴィルレブランパンの中で最もクラシックなラインナップで「時を超えたエレガンス」を体現するものです。

 

B男:時を超えた、、、ブランパンの歴史そのものを味わえそうな。憧れますね。

 

くま:B男さんが何を考えているか当てましょう。

「にしても値段高くない?」でしょう。

 

B男:参りました。

正直、このシンプルさはいいんですけど、これで106万7000円(税込)ですよ?

 

くま:目に見える部分だけで判断するのは尚早です。

ヴィルレの価格の理由。それはまさに、中身=ムーブメントです。

腕時計の裏側を見てみましょう。

 

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ブランパン(BLANCPAIN) ヴィルレ ウルトラスリム セコンドハンド デイト スペック | Gressive

 

B男:う、美しい、、、

 

くま:ムーブメント自体はこんな感じです。

 

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Ultraplate - 6651 1127 55B | Blancpain

 

くま:ムーブメントがどうのこうのと言い出したら、結構マニアックな話になってしまいますので、とりあえず押さえておくと良いポイントは次のとおりです。

  1. 高級ムーブメントメーカー(フレデリック・ピゲ)に由来すること
  2. 仕上げの美しさ
  3. 自動巻ローターが「ゴールド」製
  4. 100時間のパワーリザーブ

(詳細は拙稿「腕時計のすすめ【ブランパン】ヴィルレ ウルトラスリム Ref.6651 1127 55B」参照)

 

B男:この値段では本来買えないはずのムーブメントが入っていると言うことですね。

特に、時計の表面からは窺い知れない自動巻ローターが「ゴールド」でできているって言うのが、たまらないですね〜。

 

くま:ええ。デザインは静かな時計なんですが、中身にはかなりこだわった代物なんですよ。

役員コースのB男さんにはヴィルレがうってつけではないでしょうか。グランドセイコーばりに嫌味がない時計ですし、時計好きのクライアント・上司にも一目置かれるでしょう。

 

B男:ブランパンヴィルレ、、、熱いですね。見えないところにこそ価値がある、、、考えさせられます。

最後に、もう一つオススメがあれば教えてください。

 

ジャガールクルト レベルソ クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド Ref.3848420

くま:分かりました。洒落者のB男さんにはこれですね、、、

 

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レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド REF. 3848420

 

B男:お洒落だ。四角いフォルムで独特ですね。これは何と言うブランドですか?

 

くま:ジャガールクルトと言うブランドで、この腕時計はレベルソというラインナップです。創業は1833年と、こちらも古いです。

ジャガールクルトは「マニファクチュール」と呼ばれる自社一貫製造で、数々の傑作ムーブメントを世に生み出してきた生粋の時計メーカーです。

 

B男:ジャガールクルトレベルソはどういうコンセプトなんですか?

 

くま:B男さん、「ポロ」っていう競技をご存知ですか。英国の高貴な方々が馬に乗って楽しむようなスポーツなんですが、ポロの愛好家から競技中に時計が壊れないようにして欲しいというオーダーをジャガールクルトが受けて、時計のケースごとひっくり返せる時計が開発されたんです。それがレベルソの始まりと言われています。

ひっくり返すと裏側、当然壊れないように文字盤ではなく背面の蓋が出てくるだけだったんですが、その後反転できるという特徴と、ジャガールクルトの技術を駆使して、両面で時間を表示できる時計を作っちゃったんです。

それが紹介の腕時計で、反転させるとこうなります、、、

 

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レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド REF. 3848420

 

B男:さっきのとは全然別の腕時計じゃないんですかこれ?

ケースごとひっくり返すっていうのが、ちょっとイメージが湧かないんですが。

 

くま:ケースを横にスライドさせて、パタンとひっくり返し、スライドさせて元に戻すというやり方なんですが、こちらの動画を観て頂いた方が早いです。

 

(YouTube動画)

JAEGER LECOULTRE レベルソ クラシック ラージ デュオ スモールセコンド Q3848420

 

B男:変わったギミックで面白い!サプライズですねこれは!ジャガールクルトって面白い時計を作るな~!

 

くま:さてここでB男さん、気になるのはこのレベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド REF. 3848420ですが、、、お値段はいくらでしょう!何かTVショッピングみたいになってますが。

 

B男:これは大谷翔平選手ではないですが時計界の二刀流ですよね。

一本の腕時計で二本分の価値があるわけですからいくら何でも高いでしょう。、、、でも予算は100万円と伝えていたので、、、100万円ですか?

 

くま:98万5600円(税込)です。

 

B男:え!お買い得じゃないですか!

 

くま:私もそう思いますね。その日のファッションに合わせてホワイトダイヤルとブラックダイヤルを使い分けられる、しかもパカッ・カチッと、一瞬で。これってすごいことですよね。

 

B男:いやーしかし困ったな、、、何となくグランドセイコーでいいやと思ってしろくま腕時計紹介店さんに相談に来たのですが、グランドセイコーの良さも分かったし、でもブランパンジャガールクルトも本当にいい時計なんだって知りました。

余計悩みが増えましたよ笑

 

くま:ええ、時計選びって「どれにしようかな」と悩む時間が楽しいですよね。

私も一本目を買うときは直感でこれって決めてしまいそうでしたが、その後じっくり考えろとアドバイスがあり、散々悩みぬいた結果、時計は買えたんですが、時計の世界にどっぷりつかってしまいまして抜けられなくなりました笑

 

B男:そうだったんですね。趣味が高じてとはそのことですね。

今日は本当にありがとうございました。また決める時はアドバイスもらいにきますね。

 

くま:ええ、いつでも。