企業にも「社会貢献」が求められる時代になっています。
企業も社会の一員であり、社会が持続的に維持発展していかなければ企業の存続もないからです。
そんな中で時計ブランド各社も様々な「社会貢献」を行っているところです。
今回はH.Moser & Cie.(H. モーザー)の取組みのご紹介です。
Room to Read(ルーム・トゥ・リード)という組織をご存じでしょうか。
「子どもの教育が世界を変える」という理念のもとで、識字能力の育成や教育の男女格差是正をメインテーマにアジア・アフリカを中心に活動している団体です。
実は仕事で燃え尽きてしまったことが、ミッションの始まりでした。マイクロソフトの幹部社員として、仕事仕事の毎日だったジョン・ウッドは、バックパックを担いでネパールへと旅立ちました。(中略)
ジョンが村を去るとき校長が言った「あなたがまたいつか来られるときには、本を持ってきてください」という言葉がいつまでも耳を離れませんでした。(中略)
翌年、ジョンは父親と一緒に、本を積んだ8頭のヤクを連れて、ネパールの村に戻ってきたのでした。本を見る子どもたちの顔を見て、ジョンは会社を辞めることを決意し、開発途上国のアンドリュー・カーネギーとなるべく、その身を捧げる覚悟を決めたのでした。
1999年の終わり、ジョンはマイクロソフトの事業開発ディレクターの職を辞し、ルーム・トゥ・リードを設立したのでした。
ジョンは共同創設者であるネパール人のディネシュ・シュリスタとともに、ネパールにおいて、コミュニティと協働した学校建設と図書館・図書室設立に取り組むことから始めました。
H.Moser & Cie.(H. モーザー)は、Room to Read(ルーム・トゥ・リード)の理念に共感し、パートナーシップ契約を結び、活動を支援しています。
今回の企画ですが、ルーム・トゥ・リードの支援を受けている生徒に自由な想像力で絵を書いてもらい、色遣いや構図の良さを基準に選抜された絵を、職人が文字盤に完全に再現し、完成した時計をオークションにかけて売上げを活動の資金に寄付するというものです。
楽しそうに絵を書いています。
色遣いが美しいですね。
職人が子どもの絵を文字盤に再現しています。
一つ仕上げるのに2~3日費やしたそうです。
子どもが一生懸命書いてくれた絵です。
再現に一切の妥協はありません。
完成した時計がこちら。
左・・・海で魚たちが泳いでいる場面でしょうか。
右・・・森で植物たちが元気いっぱいに生きている場面でしょうか。
時計のベースはエンデバー・センターセコンド・オートマティックです。
2019年10月3日にロンドンで、11月9日にチューリッヒで開催される晩餐会で披露され入札が行われることになっているそうです。
高級時計を買う前に、そのブランドが社会でどう役立とうと考え、どんな活動しているのか?を知ってから時計を買う。これは粋ですね。