「時を超え、はるかな時代への旅に誘う」時計のご紹介です。
私が試着した時計がこれです。
ブレゲ BREGUET
トラディション Tradition
7097BB/G1/9WU
価格は399万3000円(税込 ※税10%)
ブレゲは時計の歴史を2世紀早めた天才「アブラアン-ルイ・ブレゲ」が1775年に創業したもので、いまでも時計界の5大ブランドに数えられる超ハイステータスなブランドです。
ブレゲの面白いところは、ブレゲの時計を正規店で購入した場合に、数々の歴史上の人物と肩を並べられる「顧客登録」をすることができるところです。
ブレゲの時計をお買い上げいただくと同時に、お客様のお名前をブレゲに登録していただくようにお薦めしております。これは、ブレゲ社が18世紀末から守り続けている伝統です。世紀を超えた一流のブレゲオーナーと肩を並べるこのチャンスをご活用いただければ幸いです。パリのヴァンドーム広場にあるブレゲ・ミュージアムの書庫には次のような記録が保管されています。フランス王妃マリー・アントワネット、ウェリントン公爵、ナポレオン・ボナパルト、ロシア皇帝アレクサンドル 1世などの歴史的な人物から、身分の公表が固く禁じられている現代の著名な方々まで、ブレゲの記録には錚々たる方々のお名前が列記されています。(ブレゲHP)
そして、ブレゲが天才と言われる所以は、いまでも通用している時計の機構の70%を発明した点と数々の装飾技法を編み出した点です。
ご紹介のモデル「トラディション」は「時を超え、はるかな時代への旅に誘う」というコンセプトです。
アブラアン-ルイ・ブレゲが1797年に考案した「スースククリプション」(subscription watch)という伝説の時計にインスピレーションを得たラインナップです。
ご紹介のモデルですが、まずケースは18Kホワイトゴールド製です。
大きさは40mmとちょうどよいです。
12時位置はオフセンターに配置された文字盤があり、文字盤以外のスペースでムーブメントの動きが見えるように配置しています。
「ギョシエ文字盤」と言われるもので、ギョシエというのは、ブレゲが1786年頃に考案した規則的なパターンを彫り込む装飾方法をいいます。ブレゲのギョシエ加工は職人の手作業で行われています。
針は「ブレゲ針」と呼ばれるものです。
これもブレゲが1783年頃に考案したデザインで、針の途中に穴が開いていて、月を思わせるデザインを特徴としています。
また針は「青焼き」されています。これは、焼き入れをすることで、金属(SSなど)の表面に酸化皮膜を作る加工です。
高い防腐性、防錆性があるとされ、青焼きを行うには職人の熟練の技が必要で、大量生産はできません。
ケースの側面には、これもブレゲの特徴である「コインエッジ」加工が施されています。
そして、10時位置にはレトログラード式のスモールセコンドがあります。
レトログラード(retrograde)とは「後退する、逆戻り」の意味で、針が扇状に反復運動する仕組みをいいます。
ご紹介のモデルの場合は、「0」から「60」に向けて秒針が進み、「60」に到達した瞬間に「0」に針が一瞬で戻り、また「60」に向かって進むという運動を繰り返します。
ムーブメントは「キャリバー 505 SR1」という自動巻きで、パワーリザーブは50時間あります。
何と言っても、本来は時計の裏側からしか見えないムーブメントが、時計の文字盤側から常に鑑賞できる点がこのモデルの良いところです。
動画でよく分かりますが、しばらく見とれてしまうくらい美しい機械です。
価格はかなり高いですが「時を超え、はるかな時代への旅に誘う」というコンセプトを存分に味わえる素敵な時計です。