(時計屋という聖地へ 一本を求め 次の一本を求め さまよう
しろくま腕時計紹介店の 時計屋放浪記 ~♪)
グランドセイコーSBGX321(黒文字盤)をレビューしたい。
画像引用元 SBGX321 | COLLECTIONS | グランドセイコー公式サイト
スペック
ステンレス
デュアルカーブサファイア
内面無反射コーティング
横 37.1mm × 厚さ 11.4mm
ムーブメント 9F61 電池式クオーツ
精度 年差±10秒
防水 日常生活用強化防水(10気圧)
耐磁 あり
重さ 119.0 g
価格 396,000 円(税込)
2017年7月8日発売
グランドセイコーとは
グランドセイコーはセイコーの最上位ブランド。以前はセイコーのラインナップの一つに過ぎなかったが、今では「グランドセイコー」として独立して高級時計路線をゆく。
1960年に初代グランドセイコーが登場してから50年以上の歴史を誇る。
セイコーからは1969年に世界初のクオーツ式腕時計が生み出され、1988年にはグランドセイコーとして初のクオーツ式時計「95GS」が誕生。以降、高精度クオーツ時計を中心に展開し、最近では機械式にも注力している。
「Grand Seiko」は既にメイドインジャパンの高級時計ブランドとして、国内のみならず世界的にも広く認識されている。
コアなファンも多い。
グランドセイコー SBGX321はどんな人におススメ?
時計に詳しくなくても、日本人なら「セイコー」というブランドは誰でも知っており、セイコーには「国産のしっかりした時計」というイメージを持っているはずだ。
「グランドセイコー」までは知らなくても、セイコーに「グランド」が付くくらいだから、セイコーの最上位ランクであるということも何となく分かるだろう。
そうすると「国産のしっかりした高級時計」がグランドセイコーの製品イメージということになる。
そのデザインは安定感があり、基本的に控えめなものが多い。「高級だが、嫌らしくない」のがグランドセイコー固有の強み。それを身に着ければ、老若男女誰からも問わず好印象を得られることだろう。
年配の男性がチャラチャラした外国製の時計を着けているのも、それはそれで悪くないが、若く見られたいという意図が透けて見えると途端にダサくみえてしまう。
日本男児、そして紳士たるもの、自分の年齢に似合う、良質な国産腕時計をさり気なく着けこなしているのがカッコいい。今回ご紹介するSBGX321は、なんと言っても、控えめなデザインと良質なつくりをもつ「渋いドレス時計」である。まさに年配の紳士にこそ相応しいが、若者こそ「先の自分を見据えて」こういう時計を手に入れてみたい。
なお、当ブログでは従前、機械式腕時計を紹介し続けてきたが、このSBGX321はクオーツ時計だ。純な機械式愛好家はここで興味を失うかもしれないが、クオーツ時計の利点は大きく二つ、「高精度」と「手間いらず」だ。後者については、更に「ノンデイト」である点で、究極の手間いらず仕様になっているといえる。
レビュー(評価)
以下、実物を着用したレビューをしていきたい。
実物、グランドセイコー SBGX321(黒文字盤)!一言、美しい。
直径約37mmに抑えたことで完璧なドレス時計になっている。
重さは119グラムと軽い。ブレスレットが比較的薄いという点も含めて、時計を着けていることがほとんど気にならない。装着感は軽快。
まず目に入るのが、グランドセイコーの十八番ともいえる立体的で美しく多面カットされたバーインデックスと、鋭いドフィーヌ針。ブラックダイヤルを背景に非常に高級感漂う仕上げになっている。
ブラックダイヤルはサンレイ仕上げとなっており光を放射状に反射させる。ずっと見ていて飽きない。
そして、筆者が個人的にこの時計で最も気に入っている点が「ノンデイト」であるところ。ノンデイトであることによって、二つの利点が生まれる。
ひとつは、日付窓がないため、ダイヤルのデザインがシンメトリー(左右対称)な構造になること。これを美しいと感じるのは筆者だけではないだろう。
もう一つは、日付を合わせる手間もなくせること。電池がある限り正確に動き続けるクオーツ時計といえども、月に一度は日付調整のために時計の日付を操作する必要がある。しかしこのモデルはノンデイトなのでその手間すら不要だ。これはクオーツ時計の実用性を最大に高める素晴らしいものといえる。
横からのアングルで注目は風防だ。高硬度のサファイア風防を採用しており、耐傷性が高い上に透明感がある。
ここで、このモデルの最大の特徴といっても過言ではないのが、デュアルカーブサファイア、つまり風防がドーム状に加工されているところだ。
昔のプラスチック風防のような形であり、これが時計をレトロに見せる効果がある。
参考までにYouTubeにて短めの動画をアップしたので実物の質感を確かめてほしい。
あと重要な点は、こう見えて10気圧防水もあるところ。ドレス時計は一般に防水性が低いものが多いが、10気圧防水もあれば日常生活レベルでは何の心配もなく使える。
おわりに
以上、グランドセイコーSBGX321(黒文字盤)について紹介してきた。
グランドセイコー × ドーム型風防 × クオーツ × ノンデイト × 100m防水
の解は「抜群の使い勝手とステータスを兼ね備えたドレス時計」となる。
機械式派の人も、これなら手元に一つあってもいいと思えたのではないだろうか。
こんなに良い時計なのに、残念ながら近いうちに廃版になるようだ。メーカーの在庫も僅か(もう無い?)という話で、いまから新品を手に入れようと思うと大変かもしれない。
参考ウェブサイト