はじめに
来る2021年8月26日、CITIZEN(シチズン 1930年創業)からメカニカルモデル Caliber 0200として、シルバー、ブラックおよびブルーの3種類がリリースされる予定となっている。
メカニカルモデル(Caliber0200)|The CITIZEN ブランドサイト
シチズンのイメージ
シチズンは、日本人なら誰もが知る超有名ブランドであり、リーズナブルで大衆向け、あるいは電子発電時計等をはじめモノづくりの技術に長けているブランドのイメージが強い。もちろん、機械式ムーブメント製造メーカーとしての顔もあるが、あまり知られていない(広く低価格の機械式時計に搭載されている)。
高級ラインとして「ザ・シチズン」を擁するが、クオーツのみの展開であったため、大半の機械式腕時計愛好家はシチズンに興味はなかったというのが本音だ。
機械式への挑戦
この度、ついにシチズンが高級機械式腕時計市場に参加することになった。新作メカニカルモデルCaliber 0200。多くの愛好家は「何だ、シチズンか」とスルーしていたのではないだろうか。筆者もそのうちの一人だったが、その後情報を収集していくうちに期待できそうな気がしてきた。
国産ラグスポ Caliber0200
一見して分かるCaliber0200の外観的特徴としては、ケースとラグが一体化している点と、ブレスレットに強めに施された筋目加工が挙げられる。
これらの特徴がラグジュアリースポーツウオッチ(いわゆるラグスポ)の傑作であるオーデマ・ピゲの「ロイヤル・オーク」を強く意識していることは誰の目にも明らか。ロイヤル・オークはふつうは正規店では買えない。人気ラグスポは中古相場ですら異常に加熱しすぎている。新品定価の2~3倍も支払ってまで中古のロイヤルオークを買う?そこまで資金を出すなら、人気はないかもしれないが適正価格で買えるもっと素晴らしい時計がたくさんある。
話が逸れたが、今般シチズンは新作としてCaliber0200を60万円から出してきた。決して安くはないが、一般人でも十分手が届く価格帯でラグスポを作ってくれた。
もちろん60万円前後の価格帯でも、ラグスポは溢れるほど存在している。
しかし、シチズンが今回称えられるべきは、Caliber0200の外装の出来も然ることながら、むしろモデル名にもなっているムーブメントの方。
高級機さながらのフリースプラングテンプや、地板と受けの見えない範囲にまで施された装飾、パーツの作り込み・仕上げ。自動巻き回転錘のボールベアリングはミネベアミツミが新たに開発したもの。高精度の内輪、外輪、ボールを使用している。まさに「マニュファクチュール」の本領を遺憾なく発揮して全て作り上げた。
この投稿をInstagramで見る
つまり「ガワだけラグスポみたいにしておけば売れるんでしょ」という浅はかなものでは全くなく、機械式腕時計を真面目にしっかりと作り込んでいる点にかなり好感が持てた。
グランドセイコーもよく頑張っているが、シチズンもやるじゃないか!
サンプルを手に取ってみた
Caliber0200の発売が迫り、実物のサンプルが一部の店頭で手に取れるということで、早速見てきた。
いい意味で定価60万円とは思えない。非常に優れた外装の仕上げに魅了された。
サンプルとしてブラック・ブルーの2種類を手に取ることができた。いずれも甲乙つけがたい出来だ。
電鋳手法によって表現した砂地模様が特徴的なブラックダイヤル。
光沢感と深みのあるサンレイダイヤルが特徴的なブルーダイヤル。
国産時計は生真面目なものが多い。悪く言えば色気がない。
これはどうか。
リストショット(筆者の手首回りは17.5cm)。
直径はきっちり40mmに収まっている。
厚みは10.9mm と、スポーツウオッチとしてはかなり薄い部類に入るだろう。
サイズ感は見てのとおり問題ないし、装着感も個人的には良好だった。
風防もよくできている。光の約99%を透過させることで反射を抑え、文字板を見やすくするガラスのコーティング技術『クラリティ・コーティング』が採用されている。
おわりに
発売目前となったザ・シチズンのメカニカル Caliber0200はいかがだったか。
筆者が店舗に直接聞いた情報ではブラック・ブルーダイヤルとも、発売後の各店舗への第一弾の入荷はわずか(1モデル1本くらい?)とのこと。
シチズンの高級機械式づくりは始まったばかりだし、手の込んだ作りが必要になるので、まだ量産は難しいようだ。
メカニカル Caliber0200は発売前で、まだあまり知られていないモデルなので予約はできそうな感じだった(筆者が聴いた時点では)。
白ダイヤルは予約段階でほぼ売れてしまっているようで、キャンセル空きを待つことになるか。
いずれにせよシチズン、国産メーカーから待望のラグスポが発売される。
参考ウェブサイト
-
いきなり世界水準!新型自動巻きを載せた大作「ザ・シチズン メカニカル Cal.0200」!! | 高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]
-
【装着レビュー付き】シチズンが本気でつくった新型自動巻きムーブメントを搭載する「ザ・シチズン」は、クロノメーターを超える高精度な実用時計 | WATCHNAVI Salon
-
ザ・シチズン本気の機械式ムーブメントCal.0200を徹底解説! | 腕時計総合情報メディア GINZA RASINブログ
-
【4K動画】高級機械式時計へのカムバックを果たした注目の新型自動巻き/シチズン「ザ・シチズン メカニカルモデル キャリバー0200」 | 高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]
-
【2021年新作】ザ・シチズン キャリバー0200搭載機 NC0200-90E / NC0200-81L / NC0200-06A | ZENMAIのココ東京
-
ザ・シチズン 「普通の最高級」を志向した機械式時計最新キャリバー0200 - HODINKEE Japan (ホディンキー 日本版)
-
【4K動画】どこよりも早くて詳しいシチズン「ザ・シチズン メカニカルモデル キャリバー0200」の解説動画 | 高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]
-
ザ・シチズン メカニカルモデル キャリバー0200 日常を特別な時間へと変えるものづくりの結晶 - HODINKEE Japan (ホディンキー 日本版)