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【Cartier】サントス ドゥ カルティエ ブルーダイヤルを試着レビュー時計屋放浪記

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いざカルティエテブティックへ

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Santos de Cartier watch

サントス ドゥ カルティエ ウォッチ

品番 WSSA0030(当初品番WSSA0013)

価格 79万7500円(税込)82万5000円(税込、2020年11月4日価格改定)

基本スペック(カルティエ公式HPより抜粋)

LM

ケース幅:39.8 mm、厚さ:9.08mm

キャリバー 1847 MC 自動巻きメカニカルムーブメント マニュファクチュール

スティール製ケース

七角形のリューズにファセットを施したシンセティックスピネル

グラデーション ブルー ダイアル

スティール製ブレスレットに「スマートリンク」サイズ調整システム

ネイビーブルーカーフスキン製セカンド ブレスレットにスティール製インターチェンジャブル デプロワイヤントバックル

どちらのブレスレット(ストラップ)にも「クィックスイッチ」交換可能システムを搭載

10気圧(約100m)防水

 

サントス ドゥ カルティエが何たるかについては、拙稿「【Cartier】サントスの「真髄」に迫る/SANTOS DE CARTIER試着レビューと共に」にて詳論した。

腕時計自体はモノだが、どんなモノも人が生み出しており、そこには必ず何かしらの「ストーリー」がある。

ストーリーは、腕時計という無機質なモノと、感情のある人とを結びつけるファクターであって、機械式腕時計の付加価値において重要な要素だ。

この点、サントス ドゥ カルティエは「ストーリー」がしっかりしている。さらにデザイン的にも、スペック的にも(特に100m防水)、コスパ的にも、トータルで見て非常に優れているプロダクトだと筆者は考えており、今回はまさに筆者自身の購入を視野に入れての「本気試着」と相成った。

では、早速リストショット。

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何と言っても、このブルーダイヤルが魅力的。

公式HPでは「グラデーション ブルー」と表現されているとおり、単純な青ではない。

現在ラグジュアリースポーツを中心にブルーダイヤルが流行っており、色々な青があるが、サントスの青は比較的暗めの落ち着いたトーンに見える。

サントス ドゥ カルティエのブルーダイヤルモデルは光の反射にもかなり特徴がある。サンレイ仕上げになっていて、光が当たると中心から外に向かって放射状に輝きが放たれる。


Santos de Cartier watch blue dial サントス ドゥ カルティエ ウォッチ ブルーダイヤル WSSA0030 リストロール

 

サイズ感は悩ましいところだ。

リストショットで確認できるが、手首の幅いっぱいにラグが広がっている。ちなみに、筆者の腕回り(手首のコブの下あたりで測定)はだいたい17.5~18cm弱。

ケースは、手首からはみ出ているわけではないものの、ギリギリ手首に収まっているかどうかという何とも微妙なライン。

LMサイズは、これはこれで存在感があっていい。

ただ筆者個人的には一回り小さいMMサイズの方がしっくりくる。

ならば、MMサイズにすればよいではないか?と言いたいところだが、「グラデーション ブルー ダイアル」はLMサイズのみでの展開なのだ。

現在、ブルーダイヤルが欲しければLMを選ぶしかない。

(・・なぜMMサイズがないんだ!)

スポーツウオッチのサイズ感は、デカ厚・大型化の傾向から、徐々に馴染みの良いサイズ感にシフトして行っているので、近い将来にブルーダイヤルのMMサイズが出ることを望む。

 

あと、ブルーダイヤルモデルに限らないが、LMサイズのデイト機能は、なくていいと思う。

特に、サントス ドゥ カルティエのブルーダイヤルモデルでは、インデックスの色(シルバー)とデイト表示の色(ホワイト)が違う。そのためデイト表示が目立ってしまうおそれがある、、、

ただ、そこは流石カルティエ。

カルティエのロゴ、AUTOMATICとSWISS MADEの表記、針の内側、およびインデックス内側のレイルウェイトラックの色が、いずれもホワイトで統一されている。

トータルで見れば、デイト表示の存在はさほど気にならない。

また、配色も然ることながら、造形も見事。ベゼル、レイルウェイトラック、レイルウェイトラックの目盛りの形、デイト窓、いずれもスクエアで構成されている。

単純なように見えて、細部まで計算され尽くされたデザインに感心しきりだ。

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サイドからのアングルで、りゅうずにはめ込まれた青い石(人工スピネル)も確認できる。

石とダイヤルが青で並び一体感が高まっている。

 

ちなみに、サントス ドゥ カルティエのブルーダイアルモデルは、スタンダードなホワイトダイヤルモデルとダイヤルの色が異なるだけでない。

一番の違いは針。

ブルーダイヤルモデルには夜光塗料が付いているのと、やや太くなっている。

あとは、インデックスが立体的になっている(その代わり、ホワイトダイヤルモデルでは「Ⅶ」の時字に「Cartier」の隠し文字があるのに対し、ブルーダイヤルモデルにはそれがないのが少し寂しい)。

これらの点で、サントス ドゥ カルティエにおいては、スタンダードなホワイトダイヤルモデルよりも、ブルーダイヤルモデルの方が、よりスポーティに作られていると言えるわけだ(ゆえにスポーティ性を徹底すべくLMのみの展開なのだろうが)。

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そしてサントス ドゥ カルティエで忘れてはならないのが、この特徴的なブレスレット。

ケースとブレスレットは容易に着脱可能な仕組みになっているが、外観上は完全に一体化しているように見える。

ロイヤルオークを始めとして「ケースとブレスレットの一体性」が近頃のラグジュアリースポーツで好まれる要素になっているが、サントス ドゥ カルティエでもこれを取り入れた格好だ。

ただ、この「ビス止め」は他の何とも異なるサントスのオリジナリティを醸し出している。

着け心地は、ケースが軽く湾曲していることで良好である。

 

サントス ドゥ カルティエブルーダイヤル、、、

どうだったか。

特にブルーダイヤル(青文字盤)が好きな人は一度は手に取ってみる価値がある一本だ。

筆者の個人的な趣味ではとても気に入ったのであるが、ホワイトダイヤルモデル(MM)と二者択一で考えると、非常に悩ましい。

渋めのブルーダイヤルと立体的なインデックスは魅力。

他方で、MMのサイズ感、定番のホワイトダイヤルとブラックの印字のデザインにも当然魅力がある、、、

引き続き悩みたいと思う。

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