「キズミ」(傷見)という道具をご存じだろうか。
時計の文字盤やケースを細部まで観察することができるルーペの一種だ。
時計好きな方なら、持っている人も少なくないはず。
筆者も購入してみたので、まだ持っていない人のためにレビューをしておきたいとおもう。
今回購入したのはこちら。
|
ESCHENBACH(エッシェンバッハ)という1913年に創業されたドイツのブランドで、ルーペ、オペラグラス等の光学メーカーとのこと。
ルーペには倍率があり、3、5、10倍と種類があるが、一番高倍率の「10倍」のものをチョイス。
外箱
キズミ(ルーペ)
軽い。
帽子のような形になっており、ツバの側からのぞく。
このツバの部分を眼窩に挟み込んで使うことができる(両手が自由になる)。
スマホのレンズに当てて撮影してみた。
観察対象はロレックスのGMTマスターⅡ(Ref.116710ln)
12時位置のロゴや6時位置のモデル名等の印字がよく見える。
印字が若干ぼやけているように映ってしまったが、これはピンボケであり、実際にはまったく文句が付けられないほどきれいに印字されている。
こうして針やインデックスを拡大して見ると、
美しく作られているなあと改めて実感。
りゅうずの先端は普段あまり意識して見ないが。
このように拡大してみると、りゅうずのギザギザの加工もきれいで、細部まで神経が行き届いているのがわかる。
なお、この時計の場合、ロレックスの王冠の下に丸が三つある。これは「トリプロックリューズ」であることを示しており、三重構造のパッキンを使用して防水を高めているという意味である。
ベゼルを拡大してみると、ベゼルに彫られた24時間ダイヤルの数字が何やらザラザラしているのが分かる。この数字部分も美しく見えるようにと、PVDという方法でゴールドまたはプラチナの薄い層でコーティングされている。ベゼルのギザギザの彫ってある面には筋目加工が施されているのも確認できる。
この辺りの芸が細かいのがロレックス。
普段何気なく見ている時計をキズミ(ルーペ)を通して観察すると、新たな発見があるかもしれない。
|