今回批評するのはグランドセイコーSBGH281。
グランドセイコー ヘリテージコレクション SBGH281
価格70万4000円(税込)
グランドセイコー誕生60周年記念限定モデルだ。
スペック
外装 :ステンレス 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス
ガラス材質 :デュアルカーブサファイア
コーティング :内面無反射コーティング
ケースサイズ :横 40mm × 厚さ 13.3mm
腕周り長さ(最長) :200mm
中留 :ワンプッシュ三つ折れ方式
ムーブメント :9S85 取扱説明書
駆動方式 :メカニカル 自動巻(手巻つき)
駆動時間 :最大巻上時約55時間持続
精度 :静的精度:平均日差+5秒~-3秒
防水 :日常生活用強化防水(10気圧)
耐磁 :あり
重さ :156.0 g
その他 :
・シースルーバック
・ねじロック式りゅうず
・カレンダー(日付)機能つき
・石数 37石
・秒針停止機能
・裏ぶた「LIMITED EDITION」表記
・裏ぶたシリアルナンバー入り
・裏ぶた獅子の紋章つき
・スクリューバック (製造上の理由により、裏ぶたの向きには個体差があります)
サイズ感は良いし、精度も防水性も申し分ない。
ダイヤルの「紺」は日本の伝統色でグランドセイコーのブランドカラー、針の赤はモノづくりへの情熱を表現したものとされている。
が、紺(ダイヤル)・金(ロゴ)・赤(針と文字)という三原色的なカラーリングには直ちに受け入れにくい違和感がある。
紺のダイヤルと赤の針の組み合わせは「スポーティ」な印象だが、このモデルはスポーツウオッチという位置づけではない(ヘリテージコレクションに分類される)。
かといって、赤い針は落ち着いたドレスウオッチとも言い難い。
良く言えば、ドレス的要素とスポーツ的要素の両取りで、オンでもオフでも比較的広いシーンで使用できそうだ。
悪くいえば、ドレスウオッチとしてもスポーツウオッチとしても中途半端で、これを選択する決定打に欠ける。
裏蓋はシースルーバック仕様で機械好きには嬉しいポイントだが、獅子の紋章がけっこう濃くプリントされていて、ムーブメントの鑑賞を妨げている部分がある。
獅子の紋章を入れつつ、シースルーバックでもあるという両取りだが、悪くいえば中途半端なウラガワ。
誰がどういう目的、どんなシーンで使用する時計なのか、頭に浮かんでこないのは筆者だけだろうか。