雲上ブランドからコスパ良しな一本のご紹介です。
私が試着した時計がこれです。
ヴァシュロンコンスタンタン VACHERON-CONSTANTIN
フィフティーシックス FIFTYSIX
オートマティック SELF-WINDING
Ref.4600E/000R-B441
価格は212万0800円(税込)
ヴァシュロンコンスタンタンの創業は1755年。
260年以上一度も途絶えることなく時計づくりを継続してきたブランドです。
「過去と現在の永遠の繋がり」という哲学のもとで自社製品ならどんなに古くても直してくれるので安心して購入できます。
やはり機械式時計は長く使ってナンボですから。
さて、ヴァシュロンコンスタンタンといえば「雲上ブランド」の一つであり容易く買える品ではありません。
特に「ゴールド製」となれば尚更。
たとえば、ご紹介のモデルと同じ「ゴールド製・三針デイト」で見てみますと・・・
↑パトリモニー・オートマティック(Ref.4100U/000R-B180)・・・277万2000円(税込)
↑オーヴァーシーズ(4500V/000R-B127)・・・396万円(税込)
といった具合に高額です。
この点、フィフティーシックスはゴールド製でも212万0800円(税込)で買えてしまいます。
これは要するにジュネーブシールという品質証明を取得しないことで大幅なコスト削減を行い、雲上ブランドの敷居を下げて新規クライアントの獲得を試みたことによります。
「ヴァシュロンコンスタンタン」の名を一度は聴いたことがあるという方でも「ジュネーブシールって何」というのが正直なところでしょうから、ジュネーブシール未取得でも全くマイナスポイントにはならないと思います。
ジュネーブシールを取れる実力があるブランドが作っているという事実自体で既に折り紙付きです。
ケースも針も18Kピンクゴールド製です。
ゴールドから漂う高級感はどこまで行ってもSS製スポーツウオッチとは異なる格別なものです。
大きさは40mm、厚さは9.60mmと最適なサイズ感。
上の写真でアップされている部分を「ラグ」と言います。
ブランドロゴである「マルタ十字」(12時位置下にあります)をモチーフにしたデザイン。隠れたこだわりポイントです。
りゅうずにも「マルタ十字」。
裏蓋はシースルーバック仕様になっており、ムーブメントを鑑賞することができます。
自動巻きローターは22Kピンクゴールド製。中央の「マルタ十字」が格好良い。
ネジの一本を取っても完璧に仕上がっています。
フィフティーシックスのデザインはどう解釈すれば良いでしょうか。
まず、かっちりしたラウンドケース、ポリッシュ仕上げのベゼル、クラシカルなレイルウェイトラックなどの点で、軸足は間違いなくドレスウオッチの上にあります。
しかし、ザ・ドレスウオッチであるパトリモニーと比べると、
- 時字の奇数部分がアラビア数字になっていたり、
- ケースサイドのりゅうずが半分埋れている、りゅうずガード風のデザインになっていたり、
- 針に夜光塗料が付いていたり
と、ドレスの中でもスポーティに寄せているつくりになっています。
また、時字の内側と外側に二重にデザインされたレイルウェイトラックが文字盤の表情を豊かにしています。
パワーリザーブは48時間、3気圧防水と実用面ではやや物足りない点もあります。
しかし、このモデルの妙は、固すぎず、崩し過ぎていないところ。
「ドレスでもカジュアルでも使いまわせる」絶妙なデザインになっていますので、これ一本あれば基本的に事足ります。
そして何より「雲上ブランド」の三針デイトのゴールド製が200万円代前半で買えるというのが最大の魅力です。