機械式腕時計を買おうと探している方に向けて、当店が厳選した機械式腕時計をご紹介します。
今回は、以下の条件で考えます。
- 予算300万円
- シンプル×ドレス
- 二針時計
- 極上のエレガンス&ステータス
オーデマピゲ AUDEMARS PIGUET
ジュール オーデマ JULES AUDEMARS
エクストラ シン EXTRA-THIN
REF. #15180OR.OO.A088CR.01
オーデマピゲはご承知のとおり、パテックフィリップ、ヴァシュロンコンスタンタンと共に「世界三大雲上ブランド」の一角を占める究極のステータスブランドです。
1875年に「ジュール=ルイ・オーデマ」と「エドワール=オーギュスト・ピゲ」が創業したスイスの老舗ブランド。独立性を保った家族経営をつづけている稀有な存在で、スウオッチ/リシュモン/LVMHいずれのグループにも属しない「独立ブランド」として独自の路線を進んでいます。
これまたご承知のとおり、1972年にはジェラルド・ジェンタデザイン「ロイヤルオーク」をリリース。
「世界初のステンレススティール製ラグジュアリースポーツウォッチ」は時計界の常識を覆し、賛否両論の中でノーチラス(パテックフィリップ)をはじめメジャーブランドが追随して「ラグジュアリースポーツ」ブームが醸成され、ロイヤルオークは「ラグスポ」界のリーディングウオッチとして君臨しています。そのため良くも悪くも「オーデマピゲといえばロイヤルオーク」というイメージが定着し、世間でもてはやされているところです。
しかし敢えてロイヤルオークではなく、シンプルなドレスウオッチというのが通な選択ではないかと思います。
さてご紹介のモデルですが、オーデマピゲの中で最もスタンダードなドレスウオッチのラインナップ「ジュールオーデマ」のモデルです(創業者ジュール=ルイ・オーデマへのオマージュです)。
ケースは18Kピンクゴールド製、大きさは41mmです。
ドレスウオッチは40mm以下が多いと思いますのでその意味ではやや大きめです。
文字盤はシルバーカラーのダイヤル。中心から外周に向けて、太賜光のように施した筋目模様=サンレイ(Sunray)仕上げになっています。「強めの」筋目加工が施されているのは平たい文字盤でも平板さを感じさせない工夫です。
針もピンクゴールド製でやや細めのリーフ針。
針の取付けは手作業。取付けは丁寧かつ慎重な作業で、熟練した職人でも1時間以上かけて行われます。このモデル求められる精度で針を付けられる職人はオーデマピゲにも数名しかいないようです。
バーンデックスもピンクゴールド製です。
裏蓋はシースルーになっており、時計の中身(ムーブメント)を鑑賞することができます。
自動巻きです。自動巻きローターは21Kゴールド製です。凝ったデザインになっています。
ムーブメントは自社製「キャリバー2120」。
この「ジュール オーデマ エクストラ シン」をご紹介した最大のポイントは、この「キャリバー2120」というムーブメントが自動巻きムーブメントの「傑作」と称されている点です。
キャリバー2120は1967年に設計されたムーブメント。センターローター式の自動巻きムーブメントとしては「世界最薄」で、信頼性、性能、巻き上げ効率に非常に優れており、かつ、多くの専門家に「世界で最も美しい」自動巻きムーブメントと評価されています。
設計者は「ジャガールクルト」です。
ちなみにジャガールクルトはムーブメントの設計だけで、製造はオーデマピゲが行っており、設計時そのままというわけではなく多少改良が加えられています。
なお、時分針のみの二針となっていますが、これはムーブメントの振動数が19,800振動/時(5.5振動/秒)という特殊な振動数になるため、秒針が60秒で一周しないという制約があるからであることはよく時計愛好家の蘊蓄で語られるポイントです。
パワーリザーブは約40時間なので二日間置いておくと止まりますが、(カレンダー付だと面倒ですが)二針時計で時刻の再調整は容易なので良しとしましょう。
雲上ブランドのオーデマピゲでステータス性良し、「世界で最も美しい」自動巻きムーブメントの極上ドレスウオッチ。
色々な高級時計を所有してきて、最後に行きつく「上がり時計」かもしれません。