機械式腕時計を買おうと探している方に向けて、当店が厳選した機械式腕時計をご紹介します。
今回は、以下の条件で考えます。
- 予算100万円
- シンプル×ドレス
- スーツにばっちり決まる
- 知る人ぞ知るブランド
カール F. ブヘラ CARL F. BUCHERER
マネロ MANERO
ペリフェラル PERIPHERAL
Ref.00.10917.08.23.21
価格は90万円(消費税別途)。
カール F. ブヘラは1888年にルツェルン/スイスで創業されたブランドです。
「カール F. ブヘラ」のブランド名は創業者のカール・フリードリッヒ・ ブヘラを指し、130年以上も一貫して創業者の一族が今でも経営を続けている稀有な存在でもあります。
創業の地「ルツェルン」(LUCERNE)はスイスのリゾート地。
街並みの美しさが観光名所になっています。
カール F. ブヘラの創業はウオッチメーカーではなく、高級ジュエリー・ウオッチを販売する小売店からスタートしました。小売店出身のブランドで現在ウオッチメーカーとして有名なのはドイツのWEMPE(ヴェンペ)やハバナ/キューバで創業したCUERVO Y SOBRINOS(クエルボ・イ・ソブリノス)など僅かです。小売店出身なればこその顧客との距離の近さがメンテナンス体制や開発力に活きています。
カール F. ブヘラは1905年に創業したてのROLEX(ロレックス)の時計を幅広く取り扱い、創生期のロレックスの躍進を支えたことでも知られています。
さて、ご紹介のモデルはカール F. ブヘラの中でも控えめでエレガントなラインナップである「マネロ」からリリースされている「ペリフェラル」というモデルです。
マネロのラインナップには金素材やクロノグラフ付き、ムーンフェイズ付きなど様々なバリエーションが用意されていますので選び甲斐があります。
ご紹介のモデルですが、ケースはSS(ステンレススチール)製、大きさは40.6mm。
ケースやベゼルには鏡面加工が非常に美しく施され高級感があります。
時字と針はファセットカット(宝石の加工法の一種で、角度が違う多数の切子面を持たせる技法)が施されて立体的に仕上がっています。
針はドーフィン針です。
全体的なイメージはジャガールクルトのマスター・ウルトラスリムやグランドセイコーとも共通点があり、これらの時計が欲しいけどもっと通なブランドが良いという方にはおすすめです。
12時位置にはブランドロゴと名称が。ブランド名下の「LUCERNE 1888」は1888年にルツェルンで創業したことを表します。
SS製ブレスレットですが、革ベルトに取り替えれば一層ドレッシーに楽しめます。
こちらは革ベルトタイプで本体価格は84万円(税別)とSS製ブレスレットタイプより6万円安く買えますが、汗をかくシーズンは革ベルトですと厳しいので、SS製ブレスレットタイプを買って、革ベルトは自分で用意して取り替えて楽しむのが良いかと思います。
裏蓋はシースルーになっており、時計の中身(ムーブメント)を鑑賞することができます。
ローターがない・・手巻き時計?と思われたかもしれませんが、実は自動巻きです。
この点がこのモデルをおすすめする最大の理由、すなわち「ペリフェラルローター」。ムーブメントの外周を回転してゼンマイを巻き上げる仕組みです。上の写真ですと下側に黒っぽいCの字型をしたものがローターになっています。モデル名の「ペリフェラル」とはペリフェラルローターのことです。
このペリフェラルローターにより、まるで手巻き時計のようにローターに邪魔されずムーブメントを鑑賞することができるのです。
ムーブメントの構成物を固定するプレートにはコート・ド・ジュネーブ装飾(ストライプ状の模様)が施されています。歯車も美しく見えます。まさに「見せるムーブメント」。
カール F. ブヘラは1919年から自社製時計の開発を始め、2008年にはペリフェラルローター仕様の、待望の完全自社開発ムーブメント(Cal.CFB A1000)を製造。2016年にはCal.CFB A1000の次世代となるCal.CFB A2000を開発。ムーブメントの内製率は約80%と着実に力を付けてきました。
先代ムーブメントは2万1600振動毎時のロービート、精度調整には緩急針を使っていましたが、新ムーブメントは2万8800振動毎時と精度も上がり、緩急針に変えて高級機で用いられるフリースプラングが用いられるなどレベルアップしています。
また、実はC.O.S.C(スイスクロノメーター認定)取得で精度は良好です(日差−4〜+6秒に収まっている)。通常、C.O.S.Cを取得したモデルには文字盤に「CHRONOMETER」と表記してC.O.S.C取得モデルであることを示します。しかし、カール F. ブヘラは敢えて表記していません。これがまた時計通の琴線に触れるポイントではないでしょうか。
パワーリザーブは55時間。実用性も中々のものです。
ケースの仕上げの良さは下の動画で確認できます↓
Carl F. Bucherer Manero Peripheral watch review by Horology Middle East