機械式腕時計を買おうと探している方に向けて、当店が厳選した機械式腕時計をご紹介します。
今回は、以下の条件で考えます。
- 予算40万円
- シンプル×ドレス
- クロノグラフ
フォルティス FORTIS
タイクーン クロノグラフ a.m Tycoon Chronograph a.m
Ref.904.21.12
定価は35万円(税抜)ですが、並行店では10万円代前半くらいで売っているところがあります。
フォルティスは、ヴァルター・フォグトにより1912年に創業されたスイスの老舗時計メーカーです。
1922年には、発明家ジョン・ハーウッドと手を結び、世界初の自動巻き時計「ハーウッド」の量産化を果たした先駆的なブランドです。
ハーウッドをバーゼルフェアで発表したフォルティスは、これを機に世界的に人気を博しました。
クロノグラフ(ストップウォッチ機能)時計の製造は1930年代から始まり、フォルティスのパイロットウオッチは、今やスイス空軍を含む世界60か国以上の飛行部隊で採用されております。
また、ロシア連邦宇宙局(ROSCOSMOS)にミッションの公式タイムキーパーとして採用され、1994年の宇宙船ミール計画以降、フォルティスの時計は装備品の一部として常に宇宙へ携行されるなど、宇宙でのさまざまなミッションをサポートするブランドとなっています。
ご紹介のモデルは、1942年に製造していたモデルからインスピレーション得たエレガントでクラシカルなデザインのクロノグラフです。
まず、風防は耐傷性に富んだ安心のサファイアクリスタル。
シルバーダイヤルに、ローズゴールド色の針とブルーの針の組み合わせがとてもマッチしています。
時分針はリーフ形でやや柔らかい表情を見せつつ、クロノグラフ針(中央に取り付けられた長い針)はかなり細くシャープな形になっていて、良い具合に引き締まっている感じがします。
12、3、6、9の時字は、印字ではなく、別パーツを取り付ける「アプライドインデックス」仕様となっており、これにより文字盤に立体感が生まれます(コストは上がりますが高級感が増す)。
大きさは41mmと、やや大きめかなという感じですが、3つ目のインダイヤルが付いている分、そこまで大きさは感じにくいと思います。
右のインダイヤルはスモールセコンド(秒針)、左は30分積算計、下は12時間計となっています(文字盤中心の青い長い針はストップウオッチ針)。
ベゼルはポリッシュ(鏡面仕上げ)されていて、ラグ(ケースとベルトをつなぐ部分)はヘアライン(筋目加工)仕上げとなっていて、細かいところも凝っています。
クロノグラフは、デザイン次第でスポーティにも、エレガントにも仕上げられますが、このモデルはかなりエレガントな仕上がりになっていて、クロノグラフをエレガントに着けたい方には良いと思います。
綺麗目なクロノグラフウォッチという括りでは、IWCのポルトギーゼと通じるところもあります(・・・よく見るとご紹介のモデルと結構似ていますね)。
裏蓋はシースルーとなっており、時計の中身(ムーブメント)を鑑賞することができます。
といっても自動巻きのローター(中心に付いている半円型の部品)がかなり大きいのでちらっと見える程度ですが、多少でも見えた方が楽しめますよね。
ムーブメントは、Cal.DD2020(ETA2892-A2+デュポア・デプラ製クロノグラフ、いわゆる「2階建てクロノ」)であり、汎用ムーブメントですがメンテナンスのしやすさや修理のコストといった面では安心かと思います。
防水は5気圧(50m)とまずまずですが、クロノグラフで海やプールに入る必要はないと思いますのでこれで十分と思います。
クラシカルなクロノグラフというのは、なかなか限られてくるなかで、これはかなり端正で使いやすい仕上がりとなっています。
また、空軍や宇宙でも使用されているブランドということで性能は問題ないですし、価格も並行店で買えばかなり安くゲットできます。