シンプル・ドレスウオッチのご紹介です。
私が試着した時計がこれです。
マスター ウルトラスリム41
見ればみるほど、地味です。
しかし、分かる人には、わかる、という「渋さ」を感じます。
ジャガールクルトは、1833年創業の老舗です。
とはいえ、世間での知名度は低く、私も時計に興味を持って初めてこのブランドを知りました。
しかし、時計界では一目置かれる存在です。
マニファクチュール(自社一貫製造)を早くから確立しました。
時計界では、ETAなどの量産型のムーブメントに少し手を入れただけで、「自社製ムーブメント」と称し、マニュファクチュールを謳い、時計を販売しているブランドが少なからず存在しています。
しかし、ジャガールクルトは、そういった「エセ」マニュファクチュールブランドとは違い、真のマニュファクチュールといえます。
ジャガールクルトは、特に時計の中身(ムーブメント)が極めて高く評価されています。
たとえば、時計界の頂点に立つ三代ブランドと呼ばれる
・パテックフィリップ
・オーデマピゲ
・ヴァシュロンコンスタンタン
も過去にはジャガールクルト製のムーブメントを搭載していました。
また、上記三代ブランドを含む五代ブランドの一角であり、ドイツ時計界の頂点を極める
・A.ランゲ&ゾーネ
も東西ドイツ統合後に復活を果たす際の象徴として、ランゲ1というモデルをリリースしましたが、その初代のムーブメントには、ジャガールクルトの角形Cal.822というムーブメントの輪列が転用されています。
そして、このモデルは、「1000時間コントロールテスト」というクロノメーター検定の基準を大きく上回る基準で点検されたうえで、出荷されています。
顧客に最高のモノを出すという気迫を感じます。
ジャガールクルトが生み出す時計はまさに、職人魂の権化です。
試着したモデルのウオッチナリティーを一言で表せば「いぶし銀」でしょう。
派手さは一切ないものの、丁寧な仕事によって静かに研ぎ澄まされた感が滲み出て、まさに「渋い」の一言に尽きるのではないでしょうか。
価格は約90万円です。
何歳になっても、時代が変わろうとも、ずっと使い続けられる不朽の腕時計です。